今注目のメタバースとは?仕組みや活用事例をご紹介
2022年04月21日(木)掲載
2022年現在、新しいビジネスモデルとして「メタバース」が市場での注目を集めています。
メタバースのビジネス活用は莫大な市場ポテンシャルを秘めており、仮想空間上で既存のプラットフォームの枠組み超えるビジネスを創出・展開できることから、多岐に渡る業種・領域で参入企業が増えています。
ただ、メタバースの活用により、企業は具体的に何ができるようになるのか、知らない方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、メタバースの概要や仕組み、企業の活用事例(ビジネスプラットフォームの事例やオンラインゲームの事例など)についてご紹介します。
メタバースとは
メタバース(Metaverse)とは、「meta(超越)」と「universe(世界)」を掛け合わせた造語となります。
メタバースは一般的に、「インターネット上の、経済圏を持った仮想空間」であるといわれています。
メタバースで何ができるのか
インターネット上の仮想空間で、不特定多数のユーザー同士がコミュニケーションをはじめ、商品購入や通貨取引など、さまざまな行動を取れることがメタバースの特徴としてあげられます。
ユーザーは目的に合わせ、仮想空間上で自由に行動を選択できる点も特徴です。
メタバースの利用用途は幅広く、アイディア次第で新たなビジネスプラットフォームも創造できるため、現在多岐に渡る業種・領域で活用が進んでいます。
企業の活用事例
以下に、11つのメタバースに関する企業の活用事例をご紹介します。
ビジネスプラットフォームの事例
A社の事例
米国企業のA社が提供するビジネスプラットフォームでは、参加者が仮想空間内で自由に、バーチャルファッションやインテリアをはじめとする、さまざまなデジタルコンテンツを作成・販売できます。
仮想空間での経済活動は、独自の仮想通貨が使用でき、現実の為替市場同様、ドル($)などへの換金も可能です。
また、仮想空間内には音楽クラブや映画館もあり、参加者はさまざまなバーチャル体験を得られることも、爆発的なユーザーの獲得につながりました。
仮想空間上へのバーチャル広告掲載を目的に、大手企業の参入が相次ぐなど、A社のビジネスプラットフォームの登場により、メタバースは大きく発展したといわれています。
B社の事例
大手百貨店のB社は現在、仮想の都市空間上に、ビジネスプラットフォームを展開しています。
B社のビジネスプラットフォームでは、「仮想都市」を舞台に、参加者はアバターと呼ばれる自分の分身となるキャラクターを通じて、現実世界と同様のリアリティでショップ体験を経験することが可能です。
仮想店舗内で展開する商品は、実際にB社の店舗で販売しているものが陳列され、気になった商品があればオンラインストアを通して購入できます。
また、時間や場所を問わず、仮想店舗内に多くのショッピングを楽しむ参加者が集うことで、企業はバーチャル広告を展開することも可能です。
現実世界とは別に、新たな市場を創出できる点は、企業のメタバース活用を後押しする結果をもたらしています。
オンラインゲームの事例
C社の事例
C社が配信しているオンライン上のバトルロワイヤルゲームは、参加者が仮想空間上で最後の一組になるまで戦います。
舞台となる仮想の島にある資材を用いて敵からの攻撃を防ぐ壁を建築したり、他の参加者とコミュニケーションを図りながら、有効なアイテムを収集したりと、ゲーム内での行動の自由度が高い点が特徴です。
ゲーム内では、現実世界の著名なアーティストのライブ映像をリアルタイムで視聴できるイベントなどもあり、メタバースの特徴を活かしたオンラインゲームだといえるでしょう。
D社の事例
大手ソフトウェア会社の子会社であるD社も、メタバースの特徴を最大限に活用したオンラインゲームを提供しています。
D社のゲームの特徴は、仮想世界にある立体ブロック状の素材(木材や鉱石など)を採集し、家や街、道具などを自由に創作できることです。
また、ゲーム内には百万人以上の参加者がおり、現実世界に匹敵する、多岐に渡るコミュニティが形成されています。
E社の事例
E社が提供するオンラインゲームでは、他の参加者と交流を図りながら、仮想空間上にある島での生活や仕事を自由に満喫できる点が特徴です。
また、アバターの衣服用に有名ブランドが参加するなど、現実世界の企業とのコラボ企画が人気を集めています。
その他
F社の事例
米国の大企業F社は、2021年、先進的なバーチャル会議システムをリリースしました。
リモートワークの広がりによって普及した、従来型のWeb会議システムとの違いは、アバターを作成の上、仮想空間上で自在に動かせる点にあります。
一例として、アバターを通して仮想空間上のホワイトボードに文字を書くことができ、ボディランゲージを交えながら他の参加者とのコミュニケーションも図れるため、現実世界の会議に近いといわれています。
F社は中長期計画として、メタバース分野への積極的かつ大規模投資を発表しており、今後の動向に注目が集まっています。
G社の事例
アイルランドのG社は、主に法人向けの仮想空間ビジネスプラットフォームを提供しています。
仮想空間内の商談では、海辺や宇宙空間など、顧客との商談場所も自由にカスタマイズでき、製品内部構造を可視化した状態でプレゼンテーションを行うことも可能です。
現実世界以上に、没入感のある製品PRを顧客に提供できる点は、ビジネスにおけるメタバース活用の可能性を押し広げています。
H社の事例
H社が開発したメタバースを活用したプラットフォームは、仮想空間上での各種設計、クリエイティブ業務をスムーズに推進できる機能が豊富に備わっています。
一例として、海外のデザイナーが作成した3Dの建築デザインを、仮想空間上で日本の建築メーカーに共有することで、場所を問わない共同作業が可能です。
作業の効率化だけなく、コラボレーションによるパフォーマンスの強化も期待でき、多くの企業でH社のプラットフォームの導入が進んでいます。
I社の事例
I社は、仮想不動産企業のパイオニアです。
I社は仮想空間のプラットフォーム上で、NFT(偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ)化された土地を提供しています。
某不動産投資ファンドが、I社のメタバース上の土地を莫大な金額で購入するなど、現在バーチャル不動産は市場で大きな注目を集めています。
J社の事例
近年、メタバース市場が拡大を続ける中、メタバースを支えるVR市場も活況を迎えています。
大手メーカーのJ社は年間数千時間以上、メタバースに滞在するヘビーユーザーのニーズに応えるため、超軽量のVRヘッドセットの開発に成功しました。
高品質なVR体験ができるとあり、ユーザーから厚い支持を受けています。
K社の事例
大手電機メーカーのK社は、海外の某スポーツクラブと事業提携の上、現実世界のホームスタジアムを仮想空間上で再現する実証実験を行っています。
仮想空間上でのスポーツ観戦はもちろんのこと、自身のアバターのカスタマイズを通して、チームにかける思いや情熱なども自由に表現できます。
また、ファン同士が交流できる空間もあり、新たなファンコミュニティの創出が期待されています。
まとめ
ご紹介の通り、多岐に渡る業種・領域で企業のメタバース活用は進んでおり、今後さらなる加速が見込まれています。
今後、自社ビジネスの拡大や新規事業の創出に、メタバースの活用を検討される際は、ぜひHiPro Bizの専門家の活用をご検討ください。
さまざまなプロジェクト現場で実績と経験を積んだ専門家が、貴社のメタバース活用を手厚く支援いたします。