組織力を高める「タレントマネジメント」とは?導入手順や最新トレンドを解説
2025年07月22日(火)掲載
組織力の強化や生産性の向上が課題となっている場合、人材マネジメントの手法を見直すという選択肢があります。従業員一人ひとりの能力や特性を活かせるマネジメントシステムとして注目を浴びつつある「タレントマネジメント」をご存じでしょうか。
本記事では、タレントマネジメントの重要性や導入の方法などをお伝えします。人材マネジメントを見直して、組織を根本から改善させたい経営者や管理者の方はご覧ください。

■タレントマネジメントとは
■タレントマネジメントの重要性と背景
■タレントマネジメントを導入するメリットと効果
■タレントマネジメントの導入手順とポイント
■タレントマネジメントを効果的にする「タレントマネジメントシステム」とは
■タレントマネジメントシステムのトレンドや最近の傾向
■タレントマネジメントシステムの種類と選び方
■タレントマネジメント導入成功のためのポイント
■経営課題支援サービス「HiPro Biz」
■タレントマネジメントは、従業員の能力を最大限に引き出して組織力を強化する手法
タレントマネジメントとは
採用や配置、育成、評価などの人事施策を戦略的に行い、自社の従業員(タレント)に能力を最大限に発揮してもらうマネジメント手法を「タレントマネジメント」といいます。一人ひとりの能力を発揮させることで企業全体の成長につなげることを目的としている手法です。
なお対象は企業によって異なり、従業員全員の場合もあれば、幹部候補など特定のポジションの従業員のみとなっている場合もあります。
このタレントマネジメントはアメリカで1990年代に生まれた手法であり、海外では今日一般的な考え方となっています。日本でも導入が徐々に進んでおり、大企業ほど導入する傾向にあるようです。

(出典:厚生労働省『コラム2-4図 我が国企業のタレントマネジメントの導入状況』)
厚生労働省が発表した「平成30年版 労働経済の分析」の結果を見ると、タレントマネジメントの導入は増加傾向にあることがわかります。売上高別のデータでは、企業の売上高とタレントマネジメントの導入率は比例しています。
タレントマネジメントの重要性と背景
日本でも導入が広がりつつあるタレントマネジメントですが、なぜ多くの企業で重要視されるようになったのでしょうか。考えられる4つの背景を解説します。
- 労働人口の減少や働き方改革の推進
- IT分野をはじめとしたテクノロジーの進化
- 人的資本経営の実現が求められているため
- グローバル競争の激化と多様な人材採用の競争
労働人口の減少や働き方改革の推進
タレントマネジメントの導入が進んでいる背景として、一般的には「転職活動の一般化や労働人口の減少をはじめとする長期雇用の難化」があるとされています。一人の従業員を長く雇用することが難しくなったため、自社が必要な人材を確保し時間をかけずに育成する目的で、タレントマネジメントの必要性が増した、ということです。
ただし、これはあくまでも一般論であり、必ずしもそうとは限りません。タレントマネジメントが台頭してきた背景としてより考えられるものとしては、テクノロジーの進化による各企業での生産性のギャップが挙げられます。詳しくは以下で解説します。
IT分野をはじめとしたテクノロジーの進化
ITやAIが目まぐるしく発展している近年、各企業で業務管理ツールや生成AIツールなど、さまざまなテクノロジーの活用が進んでいます。結果、従業員個々人のスキルとテクノロジーを組み合わせることで、生産性に大きな違いが生まれるようになったのです。
つまりテクノロジーが発達した現代社会では、より高い生産性を求めるため、企業は従業員一人ひとりの能力や適性を把握し、適切に配置する必要が出てきました。これこそが、現代の日本企業でタレントマネジメントが求められるようになった本当の背景と考えられます。
人的資本経営の実現が求められているため
人的資本経営、つまり従業員を「企業の資本」として捉えて中長期的な投資を行い、企業価値を向上させる経営手法を行う上でもタレントマネジメントは重要です。
2023年3月期より、有価証券報告書では人的資本の情報開示が義務付けられるようになりました。例えば人材育成方針や社内環境整備方針に関する情報の開示が求められており、これらを実現するには、従業員一人ひとりの能力を引き出して適切に配置するタレントマネジメントが不可欠といえます。
グローバル競争の激化と多様な人材採用の競争
多くの企業でグローバル化が加速しており、それに伴い多様な人材の採用が求められているという近年の動きも、タレントマネジメントが進んでいる背景として考えられます。
グローバル化に対応し、競合に勝つには、多様な人材を採用した上で、スピード感を持って適切に育成や配置、リテンション(確保)することが求められます。それを実現するには、タレントマネジメントを適切に行うことが有効です。タレントマネジメントを行えば、「組織のグローバル化」という目的に沿って適切な人材を一定の期間で育成可能です。
タレントマネジメントを導入するメリットと効果
タレントマネジメントを導入することで、企業と従業員の双方にメリットがあります。
企業側のメリット
まずは、企業にとってのタレントマネジメントの導入メリットを解説します。
- 組織全体の生産性向上と競争力強化
- 柔軟かつ適切な人員配置
- ハイパフォーマーの離職防止とエンゲージメント向上
- 組織文化の変革とイノベーションの促進
- 中長期的な人材育成
組織全体の生産性向上と競争力強化
タレントマネジメントの導入により、従業員一人ひとりの能力を引き出せるようになるため、組織全体の生産性の向上が期待できます。個々人が自身の強みを理解し、仕事に活かすことで、組織力が高まるのです。
加えて、研修やスキルアップの機会を通じて従業員の能力が上がれば、組織全体の競争力も強化されるでしょう。
柔軟かつ適切な人員配置
人員配置の場面でも、タレントマネジメントは役に立ちます。従業員の能力や業務経験、行動特性などを一元的に管理するため、適材適所での配置が可能となるのです。
例えば、「スキルが同等の従業員をそれぞれどのように配置すべきか」で迷ったときは、個々人の行動特性を見て判断する、といったように多角的な情報に基づいて判断できるようになります。
ハイパフォーマーの離職防止とエンゲージメント向上
ハイパフォーマーの離職に悩んでいる企業は、タレントマネジメントの導入によりその課題を解決できる可能性があります。タレントマネジメントによって従業員が本来の実力を発揮できるようになれば、エンゲージメントの向上が見込めるためです。
これまで、従業員にとって不透明な理由による配置転換や、従業員のスキルとあまり関係のない分野への異動などを行っており、それによって離職が発生していた企業であれば、特にこのメリットを実感できるでしょう。
組織文化の変革とイノベーションの促進
タレントマネジメントによって、組織力が強化されるだけでなく、新たな文化の創出も期待できます。
タレントマネジメントを導入すると従業員の能力や特性を一元管理でき、個々のスキルが明確になります。その結果、プロジェクトチームを新たに立ち上げる際に、必要なスキルに応じてさまざまな部署から従業員を集めてチームを編成することが可能になります。これにより、プロジェクトメンバー同士で化学反応が起き、これまでになかった発見やアイディアが生まれることもあるでしょう。それにより、組織内でのイノベーションが促進される可能性もあります。
中長期的な人材育成
タレントマネジメントは、中長期的な従業員の育成にも役立ちます。従業員の能力や特性を可視化することで、「どこを伸ばしていけば良いのか」が明確になるためです。
主業務で必要なスキルだけでなく、これまでの業務経験や特性など、さまざまな視点で情報を洗い出し、それに基づいて育成計画を立てられるため、効率的に育成を進められるでしょう。
従業員側のメリット
従業員の目線で見たときの、タレントマネジメントの導入によってもたらされるメリットは以下の3つです。
- 満足度が上がり、業務へのモチベーションの向上につながる
- 結果が生まれ、顧客との関係値も良好になる
- 自己成長やキャリアアップにつながる
満足度が上がり、業務へのモチベーションの向上につながる
タレントマネジメントを適切に行えば、従業員のモチベーションが上がります。なぜなら、自分の能力や特性に合った教育や研修を受けた上で、適切なフィードバックをもらいやすくなるためです。
自身の成長を実感できれば、職場への満足度も向上し、「ここで自分の能力をより発揮できるよう、もっと頑張ろう!」というモチベーションにもつながるでしょう。
結果が生まれ、顧客との関係値も良好になる
営業職やカスタマーサポートなど、顧客と直接接する機会の多い従業員であれば、「顧客満足度を向上させられる」というメリットも実感できる可能性があります。タレントマネジメントにより、従業員自身の能力が向上すれば、顧客対応やサービスの品質もおのずと向上していくためです。
「顧客から感謝の気持ちを伝えられた」「解約率が下がった」など、顧客満足度の向上を実感できる変化が起きれば、さらなるモチベーションの向上も期待できます。
自己成長やキャリアアップにつながる
タレントマネジメントを通じて、従業員自身のキャリアアップにつながるというメリットもあります。
タレントマネジメントでは、個々人の能力に対し適切な教育や研修の機会を提供し、配置の際も「本人の能力を活かせること」を重視します。そのため、自身の能力を活かしつつ、その強みをさらに伸ばしやすくなるのです。また、「こんなキャリアを描いていきたい」というキャリアパスの発見につながる可能性もあるでしょう。
タレントマネジメントの導入手順とポイント
タレントマネジメントを自社に導入する場合は、一般的に以下のフローで進めます。ここでは、各ステップで押さえるべきポイントもお伝えします。
- 1.経営戦略に対する人事戦略を明確化する
- 2.従業員の情報を収集、整理する
- 3.従業員の協力を得るための広報活動や研修を実施する
- 4.タレントについて分析する
- 5.タレントの採用計画と育成計画を作成する
- 6.タレントの育成と人材開発を進める
- 7.人員配置と採用を行う
- 8.評価と改善を行う
- 9.PDCAサイクルを回し続ける
STEP1 経営戦略に対する人事戦略を明確化する
まずは、タレントマネジメントを導入する目的を整理します。そのために、自社の経営戦略を基に人事戦略を明確化しましょう。
タレントマネジメントを実施するには、「何のために従業員を育成したいのか」「どのような人材を採用し、どんな組織を目指したいのか」といったビジョンを整理する必要があります。
例えば、以下のように人事戦略を考えていきます。
経営戦略 | IT化やDXの推進 |
人事戦略 |
・ITスキルやデータ分析の専門家などを採用、育成する ・人材ポートフォリオの作成と必要な人員配置 |
「なぜ、この事業を行っているのか」「そのために何が必要か」を考え、タレントマネジメントを行う根本的な理由を洗い出すことが大切です。
STEP2 従業員の情報を収集、整理する
続いて、従業員の情報を収集します。例えば、以下の情報を収集、整理すると良いでしょう。
- 基本情報(氏名や経歴など)
- 社内での実績
- 保有資格
- 評価履歴
- 興味、価値観
- キャリア志向
- 個人のミッション、ビジョン
- 過去に携わったプロジェクト
社員一人ひとりからこのような情報を収集し、一元管理することで、タレントマネジメントの精度を上げられます。
STEP3 従業員の協力を得るための広報活動や研修を実施する
タレントマネジメントを成功させるには、従業員が施策の目的を理解し、協力する姿勢でいることが大切です。そのため、本格的なマネジメントを行う前に社内で広報活動を行い、タレントマネジメントの重要性を浸透させましょう。
また、タレントマネジメントにより深く携わることになる、管理職への情報共有も欠かせません。必要に応じてマニュアルの整備や社内研修を実施してください。
STEP4 タレントについて分析する
適切なマネジメントを行うため、STEP2で整理した従業員の情報を分析します。「今現在、組織内にはどのような人材がいるのか」「特定の能力のある人材に偏っていないか」「自社に足りていないスキルは何か」などを洗い出しましょう。
なお、この分析のフェーズでは、本記事後半で紹介する「タレントマネジメントシステム」を利用することをおすすめします。社員の情報を入力すれば、さまざまな項目で自社の情報を自動で分析してくれるため、タレントマネジメントに関わる業務を効率化できます。
STEP5 タレントの採用計画と育成計画を作成する
従業員のデータをある程度分析し終えたら、今後の採用計画および育成計画を立てます。
STEP1で策定した人事戦略と自社の現状を照らし合わせ、不足している人材を洗い出しましょう。そして、ギャップを埋めるために「従業員をどのように育成するのか」「どのような人材を採用すべきか」を考えます。
なお、「育成か採用か」を判断するポイントとしては以下が挙げられます。
既存の従業員の育成 |
・すでに活躍している従業員の能力をさらに引き上げる ・育成の方向性や身に付けさせるスキルによっては、新規採用よりも時間がかかる場合がある |
新しい人材の採用 |
・即戦力となる人材を新しく採用する ・スキルの育成がないため、スピードを重視する場合に向いているが、採用に工数がかかる |
それぞれ一長一短なので、状況に応じて使い分けたり、組み合わせたりすると良いでしょう。
STEP6 タレントの育成と人材開発を進める
従業員のスキルを伸ばす方向でマネジメントを行う場合は、「従業員に身に付けていてほしいスキル」の理想と実態を明確化し、そのギャップを埋めるために無理のないプログラムを設計します。1on1ミーティングやOJT、eラーニングなど、自社で取り入れやすい手法を選びましょう。
人材開発にあたっては、従業員が自身の能力を伸ばせるよう、適切にフォローアップする体制を整えておくことも大切です。
STEP7 人員配置と採用を行う
従業員の育成だけでは目標達成に届かない場合は、適宜採用活動を行います。自社の求めるスキルを持っている、即戦力となる人材を採用しましょう。
そして、育成および採用した従業員(タレント)を適切に配置します。STEP2で収集した情報を基に、「STEP1で策定した戦略を実行するには、どの人材をどのポジションに配置すれば良いのか」を考えます。
このとき、従業員一人ひとりのキャリアプランを考慮することも大切です。中長期的な視点で「このポジションでこの業務を任せると、どのようなキャリアパスが描けるのか」を考えた上で配置を決められると理想的です。
STEP8 評価と改善を行う
STEP7までを終えたら、一定期間経過後に「タレント(従業員)は実際にどれだけの能力を発揮しているのか」を評価しましょう。
適切な評価を行うためには、部署内のマネージャーと定期的にコミュニケーションを取り、管理者や経営者側でも現場の実情を把握することが望ましいです。もし課題点が見つかった場合は、マネジメント手法や育成の方法などを適宜見直して、改善につなげます。
STEP9 PDCAサイクルを回し続ける
タレントマネジメントは「ここまでやれば終わり」というものではありません。STEP4~STEP8を繰り返し、PDCAサイクルを回し続けましょう。
改善を繰り返すことで、より精度の高いマネジメントが可能となります。
タレントマネジメントを効果的にする「タレントマネジメントシステム」とは
タレントマネジメントを効率的に行いたいなら、「タレントマネジメントシステム」の導入をおすすめします。タレントマネジメントシステムは、従業員の情報の一元管理ができるツールです。目標達成のために効果的な人材配置や育成をサポートしてくれる機能が搭載されています。
具体的には、以下のような機能があります。
スキル管理機能 | 従業員のスキルや経験、行動特性など、詳細な情報を一元管理できる |
人事評価機能 | 従業員の目標を設定し、現時点での実績や達成度を評価・管理できる |
サクセッション機能 | 後継者に求めるスキルを設定し、それに近い人材をピックアップできる |
自社の特徴やタレントマネジメントを通じて実現したいことに合わせて、最適なシステムを選ぶことで、その効果を最大化できるでしょう。
(参照:『タレントマネジメントシステム導入の課題とポイント』)
タレントマネジメントシステムのトレンドや最近の傾向
昨今のタレントマネジメントシステムは、AI技術を取り入れたものがトレンドになっています。AIを活用することで、より高い精度でデータの分析が行えるようになったのです。
前述の「サクセッション機能(後継者管理機能)」も近年注目を浴びつつあります。この機能を活用すれば、事業成長の中核を担う重要な人材を特定し、早い段階で確保・育成できるため、組織の成長につなげられるでしょう。
ほかに、コミュニティ機能が搭載されているシステムも見られます。企業の垣根を越えて、同じシステムを利用しているユーザー同士で人事に関する情報を交換できるシステムもあるようです。
また、タレントマネジメントそのものの傾向としては、アルムナイ(退職者)との交流をタレントマネジメントに活かしているケースもあります。「ジャパン・アルムナイ・アワード2023」の「志のデザイン部門」で最優秀賞を受賞したパーソルキャリア株式会社は、アルムナイと従業員が交流できるコミュニティサイトを運営し、一人ひとりの情報を蓄積することでアルムナイ採用につなげています。
タレントマネジメントシステムの種類と選び方
タレントマネジメントシステムは、主に以下の3種類に分けられます。
統合型 | タレントマネジメント以外にも、多様な人事業務に対応できる機能が搭載されている |
人材活用支援型 | 人事施策を活性化させるためのデータ分析機能に強みがある |
人材管理効率型 | 従業員の情報や評価情報の一元管理に特化している |
なお、タレントマネジメントシステムを導入する際は以下の4つのポイントで製品を比較検討しましょう。
- 自社の人事評価制度や育成プランに対応できるか
- 人事評価の効率化や効果的に行う支援機能があるか
- 精度の高い分析、診断機能や拡張機能があるか
- セキュリティ面に不安がないか
自社の人事評価制度や育成プランに対応できるか
詳細な機能よりもまず確認したいポイントとしては、自社との相性が挙げられます。タレントマネジメントは人材の育成と密接にかかわっているため、自社の人事制度や今後実施していく予定の育成プランに対応しているシステムを選びましょう。
この基準を満たすシステムを選ぶには、カスタマイズ性に着目することをおすすめします。テンプレートの種類が豊富なシステムや、項目を柔軟にカスタマイズできるシステムであれば、自社の制度に合わせて運用しやすいでしょう。
人事評価の効率化や効果的に行う支援機能があるか
自社の人事評価を効率化し、さらにタレントマネジメントを効果的に実施できる支援機能が搭載されているものを選べると理想的です。タレントマネジメントシステムに搭載されている人事評価に関連する機能としては、以下の例が挙げられます。
- スキル管理機能
- 人事評価機能
- 組織図の作成・管理
ただし、機能が多すぎるとかえって使いにくくなる可能性もあります。自社がタレントマネジメントを行う目的を改めて振り返った上で、必要な機能を絞り込みましょう。
精度の高い分析、診断機能や拡張機能があるか
機能面での選定ポイントとしては、分析に関する機能にも着目したいところです。例えば、システムによっては1on1ミーティングの内容を細かく記録できる機能や、個々人の心身の状態まで測れるサーベイ機能などが搭載されているものもあります。
セキュリティ面に不安がないか
使いやすさや機能だけでなく、セキュリティ面も重視しましょう。タレントマネジメントシステムでは、従業員の個人情報を大量に扱うこととなるため、セキュリティ性の高いものを選ぶことが必須といえます。
セキュリティ性の高いタレントマネジメントシステムが講じられている対策としては、以下のものが挙げられます。
- アクセス制御
- IPアドレス制限
- 2段階認証
- ログ管理
また、システム提供会社が情報セキュリティに関する認証を取得していることも信頼性の判断基準となるでしょう。
タレントマネジメント導入成功のためのポイント
タレントマネジメントを成功させ、自社の経営を改善させるには、以下の2つのポイントを意識することが大切です。
- 目的や目標の浸透と、全社的な推進体制の整備
- 自社の課題に合わせたシステムの選定と導入計画の策定
目的や目標の浸透と、全社的な推進体制の整備
タレントマネジメントを行う目的を明確にした上で、目的と目標を全社に周知しましょう。タレントマネジメントは、あくまでも目標達成のための手段の一つなので、ただ実施するだけでは意味がありません。
目的を整理し、全社に共有することで、従業員一人ひとりが自分事化して捉えられるようになります。
自社の課題に合わせたシステムの選定と導入計画の策定
タレントマネジメントを成功させるには、システムの導入は必須といえます。ただし、「自社の課題に合ったシステムを選定する」ことが非常に大切です。
先述の通り、タレントマネジメントシステムにはさまざまな機能があり、製品ごとに特化している機能が異なります。自社がタレントマネジメントを通じて達成したい目標や、それに対する現状の課題に対して適切なシステムを計画的に導入しましょう。
経営課題支援サービス「HiPro Biz」
「自社でもタレントマネジメントを導入してみたいが、適切なシステムの選び方がわからない」「タレントマネジメントの導入にまで手が回らない…」
このようにお考えの管理者や経営者の方は、経営支援サービス「HiPro Biz」の利用をご検討ください。
「HiPro Biz」には、さまざまな業界で実績を持つプロ人材が3万人以上(2025年3月現在)登録しています。人事戦略・HRテクノロジー活用に精通したプロ人材も登録しているため、戦略立案や、タレントマネジメントシステムの導入・運用サポート、運用指針の明確化など、課題に応じた支援が可能です。
タレントマネジメントは、従業員の能力を最大限に引き出して組織力を強化する手法
今回は、近年日本国内でも注目されつつあるマネジメント手法である「タレントマネジメント」について解説しました。
データの収集や分析に基づいた育成や採用により、従業員個々人の能力を最大限に引き出すことを目指しているタレントマネジメントは、IT化やグローバル化が進む昨今、ぜひ取り入れたい手法です。本記事で解説した内容を参考に、導入を進めてみてはいかがでしょうか。
なお、システムを活用した効果的なタレントマネジメントの導入や運用についてお悩みの際は、経営支援サービス「HiPro Biz」が支援します。ぜひ一度ご相談ください。