目標達成に効果的な営業スローガンとは?例文も紹介
2025年05月19日(月)掲載
チーム全体で営業目標を達成するための施策には、さまざまな種類があり、そのうちの一つとして「営業スローガン」を定めることが挙げられます。スローガンを作り、チーム内で共有することで、チーム全体で足並みを揃えて目標に向かって動けるようになります。
本記事では、営業スローガンの概要を解説するとともに、例文も紹介します。チームの抱える課題を改善し、営業活動を成功に導きたい経営者や管理者の方はぜひご覧ください。
■スローガンとは?
■営業スローガンをつくる目的
■スローガンにより期待できる効果
■営業スローガンの例
■スローガンをつくるときのポイント
■スローガンを浸透させる方法
■営業社員の育成支援や人事制度設計なら「HiPro Biz」
■営業スローガンは、営業部門の目標達成に大きく貢献してくれる
スローガンとは?
スローガンとは標語のことで、主張や理念、活動目的などをコンパクトな言葉で表したものです。企業が経営理念やミッションを伝えるために作成することもあれば、部署単位で作成することもあります。
中でも営業部門の作成する「営業スローガン」は、チーム内で営業活動の指針を共有し、営業担当者一人ひとりのやる気を引き出す目的で使われます。
キャッチコピーとクレドとの違い
企業や団体が掲げるメッセージとして、スローガンと似たものに「キャッチコピー」や「クレド」があります。しかし、この3つはそれぞれ性質が異なるものです。
詳細は以下の表をご覧ください。
メッセージを発信する対象 | 目的 | |
---|---|---|
スローガン | 組織内部と外部の両方 | 理念やミッションを示す |
キャッチコピー | 外部(顧客) | 商品やサービスの購買を促進する |
クレド | 内部 | 社員が行動する際の信条や行動指針を示す |
スローガンは組織内部に理念を共有しつつ、外部にもアピールする役割があります。一方で、キャッチコピーは購買を促すためのものなので、外部の顧客が対象です。またクレドは、社員一人ひとりの行動指針を示すものなので、内部のみを対象としています。
営業スローガンをつくる目的
営業スローガンは、営業担当者のやる気を鼓舞し、売上目標を実現するために作成されます。営業スローガンに基づいて目指すべきビジョンを共有することで、営業部門が一丸となって進めるのです。
その目的を達成するために、営業スローガンを毎日の朝礼で読み上げるなど、常日頃から関係者全員が意識できるようにはたらきかけると良いでしょう。
スローガンにより期待できる効果
営業スローガンの目的は売上目標の実現ですが、スローガンを作成することで組織に起こり得る変化はいくつかあります。ここでは、営業スローガンに期待できる3つの効果を解説します。
チームワークの向上
営業スローガンには、営業部門のチームワークを向上させる効果があります。
覚えやすい営業スローガンを作成し、チーム内に浸透させることで、ふとしたタイミングで社員がスローガンを思い出せます。営業スローガンには営業部門の在るべき姿や目指す未来が盛り込まれているので、営業スローガンを思い出すということはすなわち、自分たちの在り方を見つめ直すことにつながります。
これにより、メンバーの士気を高い水準に維持することができます。一人ひとりのモチベーションが向上すれば、力を合わせる意識が生まれ、チームワークの向上が期待できます。
目標達成意識の向上
先述の通り、営業スローガンは営業目標を達成するために非常に重要な役割を担います。では、なぜ営業スローガンを作成し運用すると目標の達成につながるのでしょうか。
まず、営業スローガンが共有されることで、目標が明確になります。そして、共通の目標がわかると、その達成に向けて具体的にすべきことが整理され、戦略や計画の策定につながります。
営業スローガンによって、漠然としていた目標が明確になり、目標達成に向けて必要なこともおのずと浮かび上がってくるため、目標達成の強力な味方となります。
ブランドイメージの確立
営業スローガンと企業スローガンが同じ場合は、企業のメッセージとしてスローガンを社外にも発信することになります。発信したスローガンが顧客や消費者に伝われば、自社のブランドイメージの確立にもつながるでしょう。
社外に発信するスローガンは、いわば企業のロゴのような役割を担っています。「この会社といえば、このフレーズ」を覚えてもらうことで、スローガンにひもづいた印象を抱かせることができます。
スローガンによって自社にポジティブな印象を抱いてもらえれば、認知度や売上高の向上につながることも期待できます。
営業スローガンの例
ここでは、営業スローガンの具体例を紹介します。自社の営業スローガンを考える際の参考にしてください。
営業目標を明確にするスローガンの例
一口に「営業スローガン」と言っても、いくつかの切り口があります。まずは、目標達成を意識づけるために、営業目標を明確にしているストレートな営業スローガンの例を紹介します。
- お客様第一主義、目標達成への一歩一歩
- 100%の力で、100%の成果を
- 全力投球、目標達成
- 挑戦を続け、目標を超える
上記のように営業目標をスローガンに盛り込んでみましょう。このようなスローガンを浸透させることで、一人ひとりが目標を意識して行動することが期待できます。
チームワークを意識したスローガンの例
続いては、営業部門のチームワークに重点を置いたスローガンの例を紹介します。
営業目標を達成するためには、一人だけが努力するのではなく、部門全体で突き進む必要があります。もしチーム内の連携に課題があるのであれば、以下のようなスローガンを取り入れて、チームワークの向上を狙いましょう。
- みんなで創る未来
- チームの力で挑戦し、共に成長する
- 共に働き、共に勝つ
- 一丸となって、世界を変える
- 全員の力で大きな成果を
先ほど紹介した「営業目標を明確にするスローガン」では、営業目標をスローガンに入れる必要がありましたが、チームワークに主軸を置く場合は、特定の言葉を入れる必要はありません。
ただし、チームメンバーの誰もが共感して覚えられるような、簡潔でわかりやすい言葉を選ぶことをおすすめします。
明るい雰囲気を意識したスローガンの例
スローガンを効果的に活用し、チームに明るい雰囲気を取り入れるといった方法もあります。チームの雰囲気が明るくなれば、生産性やモチベーションの向上が期待できるだけでなく、離職率の低下にもつながります。
チームに明るい雰囲気をもたらすスローガンについては、以下の例をご覧ください。
- 笑顔とともに、未来を走る
- 楽しさを、もっと広げよう
- ポジティブなエネルギーで前進
- 笑顔でつながる、幸せな未来
- 明るく元気に、未来を創る
特に新たなチャレンジを始める時期など、チームの方向性を改めて示したいタイミングで上記のような営業スローガンを取り入れると、効果をより発揮するでしょう。
スローガンをつくるときのポイント
上記で営業スローガンの例を紹介しましたが、「せっかくなら、オリジナルの営業スローガンを作りたい」とお考えの経営者や管理者の方もいるのではないでしょうか。魅力的な営業スローガンを作成するためには、以下で紹介するポイントを意識してください。
伝える相手を明確にする
営業スローガンの作成にあたってまず意識すべきポイントは、「誰にメッセージを向けるのか」ということです。対象は同じ会社の仲間なのか、あるいは顧客なのかによってメッセージの方向は異なるので、スローガンに盛り込む言葉も変わります。
営業の課題を解決するにあたり、誰に何をアプローチすべきなのかを整理すると良いでしょう。
ミッション・ビジョン・バリューを分かりやすく反映させる
続いて、「ミッション・ビジョン・バリュー」も意識したいところです。
ミッション・ビジョン・バリューとは、その企業が掲げる価値観のことです。それぞれの頭文字をとって「MVV」と呼ばれることもあります。具体的な内容については以下をご覧ください。
- ミッション:自社が日々果たすべき使命
- ビジョン:自社が実現したい未来
- バリュー:自社が社内・社外に約束すること
営業スローガンを作成するなら、ミッション・ビジョン・バリューのいずれか、あるいは複数をわかりやすく表現することがポイントとして挙げられます。この3つのうち、どれを特に意識したいのかを考えましょう。
誰でも理解できるフレーズを取り入れる
営業スローガンは、覚えやすくわかりやすい言葉で作りましょう。
自分たちが目指すべき指針を営業担当者が常に意識するには、メッセージが一瞬で伝わる言葉であることが望ましいです。そのため、専門用語や一般的になじみの薄い言葉は避けたいところです。
チームが主体となって作成する
営業スローガンは経営者や管理者だけで作成するのではなく、現場のメンバーも参加して作成することが理想的です。
メンバーも営業スローガンの案や意見を出すことで、自分事として捉ることができます。また、一つのスローガンをチームで作成する過程で、チームワークが育まれることも期待できます。
スローガンを浸透させる方法
上記で紹介したポイントを押さえて営業スローガンを作成したら、チーム内に浸透させましょう。営業スローガンの効果を最大限に発揮するために、以下のポイントを意識してみてください。
スローガンの意図や背景を伝える
営業スローガンだけを共有するのではなく、そこに込められた意図や、営業スローガンが生まれた背景までチームメンバーに伝えることが大切です。また、意図や背景は営業スローガンとともに定期的に発信しましょう。
たとえば、社内報にスローガンの特集を設けたり、社内イベントや日々の業務で意識的に発信したりすることで、浸透を目指せます。
経営者や役職者がスローガンの見本となる
営業スローガンは営業部門の行動指針や目標を示したものですが、現場のメンバーだけでなく経営者や役職者もスローガンの内容を意識できるとより理想的です。
経営者や役職者が、スローガンに沿った行動をとることで、現場のメンバーの見本となります。また、スローガンの内容が矛盾しておらず、実現可能であることも伝わるでしょう。
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経営課題をヒアリングした上で、社員の育成支援や人事制度設計などの課題を解決に導きます。
営業スローガンは、営業部門の目標達成に大きく貢献してくれる
以上、営業スローガンの役割や、作成にあたり意識したいポイントをお伝えしました。
営業スローガンを作成することで、営業部門のモチベーションを向上させ、目標達成に向かってチームが一丸となって進めるようになります。作成した営業スローガンの効果を最大限に発揮するには、社内での周知だけでなく、経営者や役職者が見本となってスローガンを体現することも大切です。
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