新規顧客獲得の方法とは?効果的な方法と役立つツール、成功事例を解説

営業

2023年02月06日(月)掲載

キーワード:

新規顧客の獲得は、あらゆるビジネスで重要な課題の1つです。新規顧客を獲得したいものの、成功パターンの確立に難航している方も少なくないでしょう。

新規顧客を獲得するには、ターゲットとなる顧客にアプローチする、顧客の課題を解決できる提案をするなど、順を追って進めなければなりません。

この記事では、新規顧客獲得の重要性を踏まえ、新規顧客獲得までの流れと具体的な方法、成功のポイントと役立つツール、企業の成功事例を解説します。

新規顧客獲得が重要な理由

新規顧客獲得

新規顧客の獲得は、企業の成長に欠かせない大切な要素の1つです。新たな顧客や接点のなかったターゲットを引き入れることを意味します。

新規顧客の獲得には、1:5の法則と呼ばれる概念があります。1:5の法則は、新規顧客の獲得は既存顧客の対応と比較した際、5倍のコストがかかることです。この背景から、既存顧客との取引の継続化に注力する企業も多いでしょう。

しかし、製品・サービスのコモディティ化が進行した現代では、市場競争は激化しており、既存顧客が他社に乗り換えるケースも珍しくありません。さらに企業には予算の上限があるため、既存顧客のアップセル/クロスセルには限界があります。

だからこそ、企業が売上を最大化するためには、見込み顧客を発掘し、新規顧客の獲得につなげ、製品・サービスの満足度を高めてリピート化するという一連のサイクルが必要になります。この取り組みによって、企業は顧客の数を確保しながら、利益を高めることができるでしょう。

新規顧客を獲得する方法

新規顧客を獲得するには、製品やサービス、企業の認知度を上げる必要があります。新規顧客の発掘につながる方法は次のとおりです。

広告

ターゲット層が利用する媒体に広告を出すと、製品やサービスを効率的にアピールできます。

代表的な広告の種類は、新聞や雑誌、折り込みチラシ、ダイレクトメール、看板、Webサイト広告などがあります。特に、Web広告は細かな条件設定が可能で、潜在層と顕在層それぞれに適した方法があります。

潜在層に効果的な広告手法は、Webサイトのディスプレイ広告です。ディスプレイ広告は、動画や画像で視覚的に訴求できる特徴があります。ニーズを自覚していない潜在層に対し、認知度の向上やブランドイメージの発信が可能です。

一方、顕在層には、キーワード検索に連動するリスティング広告が適しています。リスティング広告の掲載はオークション方式で、キーワードの工夫次第では効果的な広告を少ない予算で出すことが可能です。

メディア

新規顧客の獲得には、プレスリリースやSNSなどのメディア活用が効果的です。ターゲット層に合ったメディアを選ぶと情報が広く拡散し、認知度の向上が期待できます。

また、ユーザーが検索しなくとも、リツイートやシェアなどで情報が伝わるのがSNSの特徴です。ユーザーの手で情報が次々に拡散するため、自社を知らない層にもリーチします。

コンテンツ・検索エンジン

自社サイトを運営すると、顕在層のユーザーを取り込めます。自社サイトにおける新規顧客の獲得方法は、自社所有のサービスサイトやオウンドメディアが挙げられます。

ビジネスコラムやホワイトペーパーなどのお役立ちコンテンツを掲載し、リスティング広告やSNS広告と紐づけることで、検索エンジンからの流入増加を目指します。

紹介

取引先や知人からの紹介は、広告と比べて信頼性が高くなります。紹介者が自社の既存顧客で製品やサービスの満足度が高いと、紹介された側は製品やサービスに対して安心感を抱きやすくなるものです。その結果、ユーザーが納得して購入に進むため、顧客獲得にかかるコストを抑えられるでしょう。

ただし、紹介してもらえるかどうかは紹介者次第のため、自社ではコントロールできません。

キャンペーン

販促キャンペーンは、ユーザーに対してお得な提案をおこない、購買を促進する手法です。

販促キャンペーンを展開すると、通常時よりもお買い得感が出るため、ユーザーの購買意欲が高まりやすくなるでしょう。ただし、そのためには期間や対象を限定して、特別感のある演出を行うことが大切です。

新規顧客獲得の具体的な流れ

新規顧客を獲得するには、製品・サービスの認知度を上げるだけでなく、ターゲット選定や提案に持ち込むタイミングなどに配慮しなければなりません。新規顧客の獲得を目指す場合は、以下の施策を順番に実施しましょう。

1.市場調査・ターゲットの絞り込み

新規顧客の獲得にあたり、まずは市場調査とターゲットの絞り込みをおこないます。ターゲットを明確にしないと、自社の製品・サービスが必要な人物像が揺らいでしまい、新規顧客獲得に向けた施策を検討できないためです。

自社製品を展開する業界の市場を調査し、ニーズを明確にしましょう。ターゲットを絞る際は、市場調査で明らかになったニーズを整理し、自社の製品・サービスとの親和性をチェックします。

また、ターゲットの課題を把握するために、アンケートやインタビューの実施も検討しましょう。

2.アプローチ

ターゲットの人物像を設定したら、自社の予算やユーザーの特徴に合わせたアプローチ方法を検討します。

アプローチ方法を大枠で分類すると、プッシュ型とプル型があります。

・プッシュ型(テレアポ営業、飛び込み営業、ダイレクトメールなど)
・プル型(各種広告、SNS運用、メディア運営など)

複数のアプローチ方法を実践して営業すると、新規顧客の獲得率アップが期待できるでしょう。

3.ヒアリング・提案

アプローチするにあたっては、ターゲットの課題を引き出すヒアリングが大切です。ヒアリングは、以下の流れで実施しましょう。

1.現状の悩み、課題を聞く
2.悩みや課題の解決方法を提示
3.相手の反応を見つつ、自社製品やサービスを提案
4.提案内容の気になる点、不安なことを聞く
5.次回の訪問、または提案の約束をする

ヒアリングと提案を重ねると、顧客が求める製品やサービスを提案できます。

4.クロージング

クロージングとは、自社製品やサービスの購買意欲が高まった段階で、成約に結びつけるアクションを指します。製品の購入やサービスの契約まで到達できたら、新規顧客の獲得は成功です。

新規顧客獲得のポイントは、ターゲットの購買意欲がある状態でクロージングに持ち込むことです。ターゲットに製品・サービスへの疑問が残っている、あるいはターゲットの購買意欲が高まっていないと、成約の意思決定を行うことは難しいでしょう。

新規顧客獲得を成功させるためのポイント

新規顧客の獲得を成功させるには、以下のポイントを実践しましょう。

リサーチを十分におこなう

新規顧客獲得の成功は、事前のリサーチにかかっています。リサーチが不足すると、ターゲットの課題の理解度や解決策の納得感が足りず、信頼関係にも影響が出てくるため、注意が必要です。

また、ターゲットを絞らずに手当たり次第アプローチすると、効果が出ないばかりか、無駄な時間やコストを費やすことになります。そのため、自社の製品やサービスとの親和性が高いターゲットのリサーチには、時間をかけましょう。

ターゲットのリサーチでは、過去の失敗事例も参考になります。過去の施策内容や競合他社の提案内容、反省点などを確認して改善すると、新規顧客獲得の成功率アップにつながるでしょう。

社内全体に共有する

ターゲットを設定したら、社内全体で情報を共有しましょう。

ターゲットのことをよく知るためには、定量データと定性データの情報共有が必要です。

・定量データ(ターゲットの住所、年齢、家族構成、年収、購入履歴、アクセスログによる行動履歴データなど)
・定性データ(ターゲットの意見、クレーム内容、SNS投稿などの非定型的なテキストデータ)

ターゲットの情報の詳細を共有すると、営業担当者の変更があっても引き継ぎがしやすく、営業先との信頼関係の継続もできます。情報共有する際は、一元管理が可能な顧客管理ツールを活用すると便利です。

予算を確保する

先述の通り、新規顧客獲得にかかる営業コストは、既存顧客にかかる営業コストの約5倍と言われています。これは、新規顧客が企業や製品・サービスの認知から始まること、新規顧客獲得には潜在顧客の発掘も必要になることが理由です。

既存顧客へアプローチしたほうが営業コストを抑えられるため、新規顧客の獲得を打ち切るケースも珍しくありません。

新規顧客の獲得を目標にする場合は、十分な営業予算の確保が必要です。予算を立てる際は、営業コストの削減方法や費用対効果も考慮しましょう。

新規顧客獲得に役立つツール

新規顧客の獲得に向けた施策を実施する際、顧客情報の管理や情報共有が必要です。大切な情報を管理するためも、以下のツールを積極的に活用しましょう。

MA

MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動を自動化・効率化するツールです。

MAの代表的な機能には、ターゲットのリスト作成や顧客管理、キャンペーン配信、メールの一斉送信などがあげられます。MAを新規顧客の獲得に活用すれば、ターゲットの購買意欲を醸成するための施策が実行できるでしょう。

SFA

SFAは営業支援ツールのことです。顧客情報や案件情報など、営業活動に必要なデータの蓄積・分析などを行います。PDCAサイクルを回すための情報も的確に表示されるため、新規顧客獲得の施策を見直す際にも便利です。

また、商談内容の情報共有も可能なため、別の担当者が訪問する際も商談がスムーズに進みます。営業部門のチーム力向上につながり、新規顧客獲得に効果を発揮するでしょう。

CRM

CRMは顧客管理ツールです。顧客の連絡先や購入履歴、売上高、接触記録、商談状況などの一元管理ができます。

新規顧客の獲得にCRMを活用すると、業務の効率化に加え、蓄積されたデータの分析で最適な施策を打ち出せます。

そもそもCRMは単なる顧客管理ではなく、顧客との関係を良好にするためのツールです。定量データと定性データを両方管理できるため、顧客のニーズを満たすマーケティングにつながります。

新規顧客獲得の成功事例

新規顧客の獲得事例として、動画を効果的に活用した2社の取り組みを紹介します。特に、動画を活用した新しいアプローチ方法を検討している方は、どのような効果があったのかを以下で確認しましょう。

菓子メーカー/A社の事例

菓子メーカーのA社は、コロナ禍をきっかけに動画を使用した営業DXに着手し、新たな販促方法を確立しました。

自社の商材を分かりやすく説明するだけでなく、同社は動画そのものをコミュニケーションツールとして活用しています。商品説明の動画に提案先だけに向けたコメントを入れることで、特別感を演出しているのです。

さらに動画を広告としても活用することで、問い合わせ数を約50%アップさせることに成功しています。

また、自社製品を料理にアレンジするレシピ動画も作成し、テレビやSNSで取り上げられて反響を得た事例もあります。

化学メーカー/B社の事例

化学メーカーの老舗であるB社は、コロナ禍によるオンライン商談の増加にともない、営業資料を紙媒体から動画媒体に変更しました。

B社はインクや樹脂の加工など、紙媒体では伝わりにくい商材を取り扱うため、営業先の理解度に課題がありました。そこで同社は動画媒体でリアルな情報を届けるだけではなく、何をしているシーンなのか、どのような意味があるのかなど、映像に対する補足情報を追加することに注力したのです。

セミナーやオンライン商談で動画を使用したところ、「製品の長所や強みがわかりやすい」「実際の利用イメージがしやすい」などの前向きな意見が多数寄せられました。動画をきっかけに、サンプルの請求や成約にもつながっています。

化学メーカーB社の事例は、動画により自社製品の理解度を高め、他社との差別化が成功した事例として参考になるでしょう。

まとめ

新規顧客を獲得するためにはまず、顧客となるターゲットを絞り、広告やSNSで製品・サービスの認知度を高める必要があります。

ユーザーの購買意欲が高まるのは、製品・サービスに納得できたときや課題解決できたときです。ヒアリングと提案を重ね、ターゲットの購買意欲を高める工夫をしましょう。

新規顧客の獲得には大きなコストがかかるため、営業予算の確保と業務効率化が可能なツールの活用がおすすめです。

関連コラム

ページTOPへ戻る