物流の自動化・省人化推進の課題と解決策
2020年07月22日(水)掲載
ここ数年で、「物流ロボットシェアリング」や「スマートロジスティクス」という物流の省人化・自動化を謳うサービスが増えてきました。
現在検討されている、または既に導入している企業もあるかと思います。しかしながら、実際に導入された企業から「本当に導入して良かった!」、「物流コスト削減に大いに役立った」という声を聴くことはあまりないようにお見受けします。何故なのでしょうか。
今回は物流の自動化・省人化推進の課題と、解決策をテーマに解説させていただきます。
物流の現状
2020年1月頃より世界中に拡散し、世界経済や生活様式を一変させた新型コロナウィルス(COVID-19)ですが、2020年7月現在も感染者および死者数は拡大を続けています。日本では5月25日に政府の緊急事態宣言解除、6月19日に東京都の休業要請も全面解除となり一旦平穏を取り戻したかのようですが、自粛・休業要請期間中に医療・介護・保育・役所・スーパーマーケット等の従事者の方々には感染リスクを顧みずに身を挺して国民の生活を支えていただいたと思います。
しかしながら、それらを影ながら支えていたのが約300万人とも言われる物流従事者の方々で、このコロナ禍で益々重要性を再認識させられた方も多いのではないでしょうか。つまり、物流がなければ医療現場に必要物資も届きませんし、通販でもスーパーでも生活必需品が届かないのです。
物流を一概には語れませんが、近年ほぼ全ての企業に共通する問題は配送、保管、荷役、資材、管理から構成される物流費の高騰ではないかと思います。その背景にはE-Commerceの成長という生活様式の変化(需要)と人不足という社会的構造の変化(供給)の問題があると私は考えています。
つまり、新型コロナウイルスの蔓延により、人々の生活様式と社会構造が変化し、大きく物流業界が変化しているのです。
もちろん、新型コロナウイルスによる一時的な話ではあるのですが、それだけにとどまらず、今後も変化していくことが想定できます。
・新型コロナウイルスの蔓延により、人々の生活様式と社会構造が変化し、大きく物流業界が変化した。
・これは、新型コロナウイルスの一時的な影響だけではない。今後も引き続き変わっていくことが想定できる。
物流業界の変化、課題
先ほど説明した市場環境の変化を経て、以下などの変化、課題があります。
①E-Commerceの拡大
経済産業省によると、2018年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は約18兆円(EC化率6.22%)で過去8年で年平均8%台、BtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模も約344兆円(EC化率30.2%)で過去5年において年平均5.7%前後で成長しています。
特にBtoC-EC市場の成長は個別配送の増加を意味し、商品が保管されている物流施設にて個別注文毎にピッキング、仕分け、梱包作業が必要となります。現在は、それらの作業を主にパート・アルバイト・派遣社員といった人手で行っています。
また、商品保管も作業人員がピッキングを行い、手が届く高さの棚になるため、従来の保管効率重視で高積み保管ができないためそれを考慮した倉庫スペースが必要となります。この構造が近年の物流不動産と作業人員の需要を押し上げている主な要因です。
労働人口の減少
人不足問題も深刻です。厚生労働省および国立社会保障・人口問題研究所によると、日本でこのまま少子高齢化が進むと、生産年齢人口が減少し、2020年現在労働需要に対して労働供給が384万人の不足数が2030年には644万人(うち物流および製造業で172万人)になると言われています。
現在も物流業界ではトラックドライバーや倉庫内作業者が不足しており、特に通勤性の悪い立地の物流施設、深夜・早朝時間帯、重量物搬送、冷凍・冷蔵庫内作業といった通いづらい立地、過酷な作業内容・労働環境においては人不足が深刻となっています。当然人件費の高騰も問題ですが、一番の問題はいくら時給が上がっても人が集まらないリスクが徐々に顕在化し始めていることです。
つまり、倉庫では人が集まらないので出荷キャパシティの低下や、配送会社ではドライバーの不足で集荷時間の短縮、配送量制限、や配送遅延というサービスレベルの低下、結果としてトップライン(売上高)の低下につながることになります。
・物流業界の現状として、E-Commerce(電子商取引)の拡大が起こっている。市場規模はBtoB、BtoCどちらも年平均5%以上で拡大し続けている。しかし、梱包などの発注作業は人の手によって行われているので、作業効率を低下させないために商品の保管場所に余裕をもたせないといけないなどの問題点がある。
・また、少子高齢化から労働人口が減少することで、運搬や倉庫内の作業をする人手が足らなくなっていくことが懸念としてある。
物流現場の人不足問題の解消方法
それではどのようにしたら物流現場の人不足問題は解消されるのでしょうか。短期から長期的解決策として3つ方法があると考えています。
パラダイムシフトによるミスマッチの解消
短期的解消には、物流業界に労働力をシフトさせる必要があります。今回のコロナ禍の影響で観光業・飲食業・小売業を中心に経済的に大きな被害を受け、それにより数万人規模が失業そして数十万人規模で社内失業(店舗休業・閉鎖等により働き場を失う状態)される見込みです。
しかし、失業者の多くが従前と同じ職場、業界や職種を希望されるために中々就職できない一方、物流現場は慢性的に人不足、つまり需要が旺盛な状況が続いています。
テイクアウト商品の某の配達員はまさにこのパラダイムシフトの事例ですが、短期間でもこうした数万から数十万人規模の労働力を物流業界にシフトできるのであればこのミスマッチが解消されると思います。また、社内失業に関しても店舗勤務から物流現場にシフトする内製化の動きも加速すると思われます。
潜在的労働力の活用を促進
中期的解消には、例えば、働きたくても現在事情があって働いていない人や、外国人労働者の雇用を促進することも大切だと考えています。
但し、これは簡単ではなく、働く物流施設が通勤圏内にある立地、労働時間の柔軟性、作業も軽作業に限定等、労働環境に大きく影響されます。
そのため、もし人手を確保ができた場合は、生産性の低下や管理コストの増加という課題に直面するかと思いますが、庫内冷暖房設置、保育所整備、駐車場確保等、環境整備に投資をすることや、雇用者の働きやすい環境を一緒に考えて実現していくよう心がけましょう。
自動化・省人化技術の導入
中・長期的解消には、人手に頼らずに生産性を向上させていくために自動化・省人化技術を導入していくことです。製造業等の工場においての自動化はかなり進んでいますが、何故か物流においては、ほとんど自動化が進んでいません。何故でしょうか。
理由は、既存の自動化技術の導入・維持費用が高すぎることや、日本の物流現場で働くパート・アルバイト等の作業者は相対的に時給に対して生産性が高いからであると考えられます。つまり働き手が集まる以上は、自動化導入するより人手で作業した方が安い状態が続いています。
今回の新型コロナウイルスの 禍でBtoC-ECの需要が爆発的に高まり、小売各社は今後対面型店舗の在り方を見直す動きが見られ、今後非接触型のBtoC-ECの需要が加速度的に高まることが想定されます。そうなると益々倉庫スペースとそこで働く労働力の需要も高まる一方で、物流施設内では作業者はこれまで以上に感染拡大を防止するために三蜜状態の労働環境を避けなければならず、その場合に各社はスループットという生産性および当日出荷というサービスレベルの低下を許容するか、もしくは自動化・省人化技術を導入して生産性およびサービスレベルの維持もしくは向上を図るかという選択を迫られることになります。
新型コロナウイルス禍以前からの問題でもありますが、多くの企業で自動化・省人化技術の導入検討が加速すると思われます。
・人手不足を解消するためには、今回のコロナ禍などでこぼれ出た失業者を物量業界にシフトさせるのが有効な手段となる。
・また、現在の職場に満足しておらず、転職を考えている人物や外国人労働者などの潜在的な労働力を活用することを検討するのも良い。
・労働力を補填するのではなく、少ない労働力の中で作業効率を上げることで生産性を保っていくという手法もある。作業の自動化や省人化によって、作業効率の向上を図ると良い。
最先端の自動化・省人化技術の導入と課題
物流と一概に述べても、取引形態がBtoBなのかBtoCなのか、物流センターの機能がDC(在庫型)なのかTC(通過型)なのか、扱う商品の衛生管理、温度管理、重量物の有無でも工程や作業方式が異なります。
しかし、ここでは今後も成長が予想されかつ人手を必要なBtoC-ECの物流での自動化・省人化技術に焦点をあてて述べていこうと思います。また一般的にBtoC-ECの物流の工程で棚入れとピッキングに約40%、入荷・返品・検品に約35%、仕分け・梱包に約25%の労働力が分配されていると言われ、今回は最も人手がかかる棚入れとピッキングの自動化・省人化技術を4つに分類して概要と課題を取り上げます。
自動倉庫・マテリアルハンドリング
従来型の入出庫・保管・搬送を自動化する技術です。自動倉庫ではノルウェー某企業の他に英国某企業、日本の某企業の商品等が徐々に導入され始めてます。
これらの製品の課題は、導入に際して建物建築からシステム開発までほぼカスタマイズで設計する必要があり、導入およびメンテナンス費用が非常にかかるため、ある程度の規模で資金に余裕がある企業以外にはハードルが高いことです。また、最近は100億円近くを投じてほぼ「全自動」を謳った事例もありますが、実はこの「全自動」も、前後工程の他倉庫で仕分けや搬送が発生しています。ここに物流の自動化・省人化が中々進まず、新しい物流ロボットに期待が高まる要因があると考えられます。
第一世代ロボット
某企業が開発したGTP型(Goods To Person:商品を人へ運ぶ)AGV(Automatic Guided Vehicle:自動搬送車)で車輪付き搬送機が商品棚を持ち上げて作業ステーションに搬送、作業員の庫内移動を自動化する技術です。
アメリカやインド、中国、日本の某企業が同様のロボットを製造販売しており、2019年までに「ロボットシェアリング」を謳い文句にしたサービスの一部はこの第一世代のロボットを利用して従量課金を前提にしています。具体的なメーカーと数値の公表は避けますが、私が実際に導入事例に関わり現時点で認識している課題は下記6点あると考えています。
●導入期間と費用
導入工事に約2ヶ月(賃料発生)、専用棚(有料)、レイアウト変更、原状復旧工事(主に床のタイヤ痕やQRコードの清掃と専用棚撤去費用)に約1~2ヶ月(賃料発生)と期間と費用がかかります。
賃貸倉庫のフリーレント等賃料免除がない契約期間の途中での導入となると、工事期間中に他の場所を空けなければならないことから賃料が発生し、契約終了時の原状復旧費用も考慮すると意外と費用がかかります。あるメーカーの製品は倉庫床の平滑性の指定がありそれを満たさないと導入できない場合もあります。
●維持管理費用
システムの保守メンテナンスがメーカーもしくは指定業者に専任であること、稼働時間にもよりますが、タイヤやバッテリーの交換目安が2年毎といった、働き手の削減効果を相殺してしまう程のランニング費用がかかるケースが見られます。
●移動距離と作業負荷
人の「移動」の自動化のみにフォーカスしており、「棚入れ・ピッキング」のみの生産性は4倍近く上がりますが、作業員の作業負荷(しゃがむ、脚立を上りピッキングすることなど)も4倍近くに増えるので、長時間作業すると重労働となり、作業員の生産性や定着率に影響が出ます。
●保管効率
各社が公表してPRする保管効率の向上も局所的であり、棚が密集するエリアでは確かに局所的に3倍近く向上しますが、作業ステーションやロボットの混線や待機を防ぐために空ける通路スペース等を入れると保管効率はほとんど変わらないと考えられます。
●前後工程
扱う商品の荷姿にもよりますが、家具のような大型商品、ハンガー保管の洋服等は専用棚が使用できないので寧ろ保管効率が悪化します。そのため従来通り専用棚以外で保管する商品との荷合わせや仕分けが別途発生するのでレイアウトや採用するピッキング方式次第では前後工程で搬送作業の発生や保管・作業場所の追加で導入効果が薄れます。
●入出荷制限
A)波動対応
BtoC-ECでは1週間を通じて土日に受注がピークを迎え、平日は夕方から夜にかけて注文が集中する傾向にあります。こうした波動に対してリードタイムとスループットをどのように設計するかが重要ですが、ピークにあわせると導入およびランニングコストがかかり、逆に第1~第2標準偏差の間にあわせるとセールや土日の繁忙期にはスループットに制限がかかるためリードタイムへの影響が出ます。
B)ロット単位
商品の保管は、専用棚へのフリーロケーションが前提であるため、BtoBなどのロット単位出荷に関しては分散してしまい荷合わせに時間がかかることもあるのが課題です。また、 緊急対応の入出荷処理も、通常では棚入れと出荷指示を経なければなりませんが、WMSとオペレーションで解消ができない場合は非効率となります。
C)棚卸
商品の入荷、出荷、棚卸は全て同じステーションで行われるため、棚卸を行う場合、日中であれば入出荷を止めるか、稼働時間外は夜間・早朝を利用して行う必要があります。全量検品であればかなりの時間を要します。
D)BCP
停電が起きて電気が止まった場合、バッテリーの残量は稼働可能ですがフリーロケーションであるため、どこに何が保管されているかを把握するのが難しく、かつ専用棚は密接しているので人手による入出荷は物理的にもほぼ不可能なのでBCP上優れているとは言えません。
上記課題を考慮すると、このシステムではシェアリングモデルには適しているとは言えないと思います。複数社の商品を専用棚へフリーロケーションで保管すると特にA~Cの課題に直面しますし、規模の小さいBtoC-ECなら従来の保管棚を各社に割り振り、人手で集中的にピッキングを行った方が、はるかに効率が良いからです。また、規模が大きくなっても保管効率は変わらないので、その分AGVもしくはステーションの増設が必要となり、導入費用が増えますが人の削減効果が増えないので投資対効果は余り期待できません。
第二世代ロボット(PTG/AMR)
某企業が開発したPTG型(Person To Goods:人を商品へ誘導する)AMR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)で車輪付き搬送ロボットがある一定のエリアを担う作業員を商品まで効率よく誘導、ピッキングした商品をある程度まとめて仕分ステーションまで自動で搬送する技術です。アメリカ、デンマークの某企業が代表的ですが、日本や中国でも2019年から導入事例が出始めました。
前述の第一世代の課題と比較すると(1)専用棚が不要で既存の什器を使用でき、そして床にQRコード等の貼付も必要がないので準備期間も短く導入費用が安くなりました。また、(6)波動対応、棚卸やBCPの問題もクリアしています。同じ規模であれば第一世代の3分の1程度で導入が可能で、条件次第では投資対効果が出る事例も出てくると思われます。
また(3)人がある程度移動をする前提で、探す「移動」、商品を「探す」、仕分け場所までの「搬送」時間を削減するため、作業負荷は軽減します。更に、パート・アルバイトがロケーションの把握や商品知識を覚えて一定水準の生産性を出すのに1ヶ月近くかかっているのが、このシステムは初日から操作を覚えれば一定水準のスループットを出すことが可能です。
まだ日本において本格稼働している事例も少ないですが、現時点で認識できる課題としては下記の通り3点あると考えています。
●導入・維持管理費用
WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)とWCS(Warehouse Control System:倉庫制御システム→ロボット側の制御)を連携するWES(Warehouse Execution System:倉庫運用管理システム)の開発にどれほどの費用がかかるかについてです。
通常、このシステム開発は非常に費用が高く汎用性もないため、システムの保守メンテナンスをメーカーもしくは指定業者に専任しなければならないことと、稼働時間にもよりますがタイヤやバッテリーの交換頻度とランニング費用がどれほどかかるかをきちんと検証段階で把握する必要があります。
●保管・ピッキング効率
ロボット同士がすれ違う条件として、各社が推奨している棚間の通路幅は0.9~1.2mとなり、通常0.6m幅で保管している場合は30~50%保管効率は下がることになります。
逆に0.6mで設計すると、ロボットは一方通行となり、結局従来と移動距離は変わらなくなります。また、棚の高さで視界が遮られるため、ロボットが誘導というよりも、別の通路のピッキングポイントで待機する方式だと人がロボットを探して移動するのに遠いルートを選択して結果として無駄な動きが生じる可能性もあります。従って、本システムは保管効率とピッキング効率が相反する関係にあることと、本システム以外に各商品の出荷頻度に応じた保管ロケーションの設計も効率に大きく影響することが課題です。
●入出荷制限
A)荷姿の制約・ロット単位
扱う商品の荷姿にもよりますが、パーツや小物のピッキングには適している反面、家具のような大型商品や重量物、ハンガー保管の洋服等の搬送には適しておらず荷姿の制約を受けます。また、BtoBなどのロット単位の出荷は量と荷姿にもよりますが、ロボットには積載できないため不向きです。
B)棚入れ機能
現時点では解決しているかもしれませんが、ピッキング機能だけで棚入れ機能はない場合があるので、その場合は通常通り人手による棚入れとなり、棚入れとピッキングとの両立をどう実現するかも課題です。
第二世代は第一世代と比較すると導入費用も安いため、設計次第では投資対効果が出ることが期待されて導入事例も増えそうですが、両方とも自動化・省人化ということでは決定的な解決方法にはなり得ないのではないかと私は考えています。何故なら、両方とも結局は人手に依存しており、労働力不足で将来想定される程に時給を上げても人が集まらないリスクを抱えているからです。
第三世代ロボット
以上を踏まえ、私は第一世代、第二世代ともに某企業で開発され、中国を中心に発展した技術を日本にそのまま持ち込んで、元々の設計思想が異なるため余り期待するほどの投資対効果は得られないと感じております。そこで私は2020年4月より会社を設立しました。
そして、物流x不動産xテクノロジーの3分野のバランスを考慮した物流最適化ソリューションのアドバイザリー提供と物流IoTプラットフォームの整備と2024年の実用化を目標に第三世代ロボットの開発を開始しております。第三世代ロボットの開発にあたり下記を設計思想としてます。
・ユーザー側の費用対効果を意識した設計・開発
・保管効率とピッキング効率の両方を向上
・前後工程、波動、在庫ロケーションの最適化を考慮したシステム
・既存の倉庫、什器を活用し導入費用を抑制
・オープンソースとFA技術を活用して導入・ランニングコストを抑制
・人による遠隔操作と作業の学習が可能なシステム
・導入障壁であるWES開発コスト(SIerコスト)低減のためのIoTプラットフォームの整備
・物流業界において、最先端の自動化・省人化技術には、さまざまなものが展開されている。
・まず、入出庫・保管・搬送を自動化する自動倉庫・マテリアルハンドリング。この技術は世界のさまざまな企業で導入されつつあるが、業務効率は飛躍的に上がる反面、初期投資に莫大な予算が必要なため、資金に余裕をもった企業にしか導入でいないというデメリットがある。
・次に、発注業務内での商品の運搬を担う、第一世代ロボット。。導入期間は3~4ヶ月ほどで、工事期間中に場所を空けなければならないという問題点があるが、導入後は作業効率が大幅に改善し、また労働者の身体的な負担が大きく軽減されるというメリットがある。
・第一世代ロボットの進化系である、第二世代ロボットには、第一世代ロボットにはできなかったような内容の運搬作業ができる。また、導入期間や費用などで比較しても、第一世代ロボットよりも改善されている部分が多い。
・そして、現在開発が進められているのが第三世代ロボットであり、物流の最適化、IoTとの融合を掲げて、2024年までの実用化が目指されている。これまでの第一世代、第二世代ロボットは、中国を中心に発展した技術が用いられていたが、今回の第三世代ロボットは、日本のニーズに基づいては開発されていっているので、以前のものよりも多大な効果をもたらすことが予想される。
まとめ(解決策)
現在新型コロナウイルス禍での物流現場では、以前にも増して人不足に直面していると思います。短期・中期・長期での解決策は前述の通りですが、物流企業・荷主企業におかれても自動化・省人化の検討は進めつつも、それありきではなく投資対効果を検証して判断した方が良いと私は思います。
まずは現状の拠点やプロセス、サービスレベルの分析と見直して解消ができないかを検討、次に、人が集まるのであれば多少時給を上げてでも確保することを検討、最後に人が集まらない状況が見えたら自動化・省人化しやすい工程から徐々に進めていくことをおすすめします。
物流企業・荷主企業が自動化・省人化技術への投資で失敗しないためや物流不動産を主軸に、物流のトータルコストを最適化するために、専門家に依頼してみるのも良いでしょう。
特に、新型コロナウイルスで変化の大きかった業界です。VUCAの時代と呼ばれる今、どの市場も不確実性は高くなっており、経験豊富なHiPro Bizのプロ人材だからこそ、経験や実績から語れる知識やノウハウで、実働型で支援することが可能です。現状の課題を解決するためにぜひまずはお気軽にお問い合わせください。
執筆者T.S氏
慶應義塾大学、ジョージワシントン大学MBA修了。外資商社に入社し、世界の優れた技術・製品の開発と国際貿易に6年半従事する。物流不動産投資・開発、リース営業(事業開発部長)、大手アパレル(統括部長)で物流戦略策定、JV組成、自動化検証などの経験を積み、20年4月自らの会社を創業。