企業のためのハラスメント研修ガイド|目的、内容、実施方法を解説
2026年03月31日(火)掲載
ハラスメント研修は、企業が健全な職場環境を維持し、法令遵守と心理的安全性を両立するために重要な取り組みの一つです。近年はパワハラ防止法の施行により、企業にはハラスメント対策が義務化されています。しかし、「何をどこまで実施すれば良いかわからない」「研修が形骸化している」といった課題を抱える企業も少なくありません。
本記事では
- ハラスメント研修の基礎知識
- ハラスメント研修の種類
- 効果的な実施方法
- 自社で研修を実施する際のポイント
- 未然防止と事後対応の考え方
- 関連法令の整理
までを体系的に解説します。自社のハラスメント対策を見直したい人事・管理職の方は、ぜひ参考にしてください。
■ハラスメント研修とは
■ハラスメント研修の種類
■ハラスメント研修の方法
■ハラスメント研修を自社で行う際のポイント
■ハラスメントを未然に防ぐために企業が求められる取り組み
■ハラスメント防止と事後対応のポイント
■ハラスメントに関する法令
■まとめ
ハラスメント研修とは
ハラスメント研修とは、一人ひとりのハラスメント防止への意識を高め、組織内でハラスメントを起こさない環境を整えるために実施される研修です。単なる知識習得にとどまらず、以下の力を養うことを目的とします。
- ハラスメントの判断基準を理解する力
- 被害を受けた際・目撃した際の対応力
- 加害者にならないためのコミュニケーション力
特に管理職層にとっては、部下の相談対応や初期対応のスキルが求められます。企業が定期的にハラスメント研修を実施することは、リスクマネジメントの観点からも重要です。適切な教育を継続することで、トラブルの予防だけでなく、企業ブランドの保護や離職防止にも寄与します。
ハラスメントが起こる原因
パーソル総合研究所の「職場のハラスメントについての定量調査」によれば、全就業者の34.6%が、過去に職場にてハラスメントを受けたことがあると回答しています。3人に1人が経験していることから、ハラスメントはとても身近な問題であることが分かります。

出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」
職場でハラスメントが発生する背景には、個人の意識だけでなく、組織構造や文化の問題が複雑に絡み合っています。主な原因は次の通りです。
- 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)
- 権力関係の固定化
- 過度な成果主義・競争文化
- コミュニケーション不足
- 相談しにくい組織風土
例えば、「指導のつもり」が行き過ぎてパワハラに該当するケースや、「冗談」のつもりの発言がセクハラに受け取られるケースなど、悪意のない言動が問題化することも少なくありません。また、成果を過度に重視する文化や、上司に意見しづらい風通しの悪い環境では、ハラスメントが表面化しにくく、長期化する傾向もあります。
こうした構造的な問題を放置せず、定期的なハラスメント研修を通じて認識のアップデートと対話の機会を設けることが、発生防止の第一歩となります。
ハラスメントが企業に及ぼす影響
ハラスメントは被害者個人の問題にとどまらず、企業経営に重大な影響を及ぼします。主な影響は以下の通りです。
- 生産性の低下
- 離職率の上昇
- 組織エンゲージメントの低下
- 企業ブランドの毀損
- 訴訟・損害賠償リスク
ハラスメントが放置されると、職場の心理的安全性が損なわれ、挑戦や意見表明が減少します。その結果、イノベーションの停滞やチーム力の低下を招く可能性があります。さらに、SNSや口コミによるレピュテーションリスクも無視できません。ハラスメント研修は、こうした経営リスクを未然に防ぐだけでなく、企業のコンプライアンス体制を強化する重要な施策の一つといえます。
ハラスメント研修の目的
ハラスメント研修の目的は、職場全体のリテラシー強化です。ただし、ハラスメントの種類を知っているだけでは、十分とは言えません。研修を通じて一人ひとりの価値観や境遇の違いに気づくことで、相互理解が深まり、風通しの良い職場環境に変化する第一歩となるでしょう。
もちろんハラスメントの発生や潜在化を防止するのも、研修の目的のひとつです。万が一、社内でハラスメントが発生してしまうと、社員のモチベーションやパフォーマンスが低下するだけでなく、従業員の離職や、最悪の場合は企業イメージの失墜にもつながりかねません。
例えば、パーソル総合研究所の「職場のハラスメントについての定量調査」によると、ハラスメントを原因とする離職者は年間86.5万人と判明しています。さらにそのうちの半数以上が、退職理由を会社に伝えられないまま離職している現状も明らかになりました。

出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」
さらに同調査では、ハラスメント目撃者の4割、そして会社の8割がハラスメントに対し何も対応していないことが判明しています。

出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」
離職理由がハラスメントであることを言い出せないことで、企業側がハラスメントの実情を把握できておらず問題が表面化していない実情があります。ハラスメント研修を通じて、組織全体でハラスメントのリスクを正しく理解できるようにしましょう。
ハラスメント研修の対象者
ハラスメント研修の対象者は、非正規雇用労働者やパート・アルバイトを含む全従業員です。しかし、研修の内容によっては一般社員や管理職など、受講対象者を限定したプログラムを実施するケースもあります。
ハラスメント研修の種類
ハラスメントとは、相手の尊厳を傷つけ、就業環境を悪化させる言動を指します。職場で起こり得る代表的なハラスメントの種類として、以下の7つが挙げられます。
1.パワーハラスメント研修
厚生労働省では、職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)を以下のように定義しています。
職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる
① 優越的な関係を背景とした言動であって、
② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③ 労働者の就業環境が害されるもの
であり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
出典:厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」
パワーハラスメントに該当する代表的な言動として「身体的な攻撃」「精神的な攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つが挙げられます。
パワーハラスメント研修では、どのような言動や行動がパワーハラスメントに該当するのかを正しく理解した上で、日頃のコミュニケーションや部下への指導がパワーハラスメントに該当していないかを、組織全体で確認します。
2.セクシャルハラスメント研修
セクシャルハラスメントとは、職場や組織内での性的な嫌がらせのことを指します。男女雇用機会均等法の第11条において、事業主はセクシャルハラスメントを防止するために必要な措置を講じる必要がある旨が記載されています。
事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対処するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
出典:男女雇用機会均等法 第11条
職場におけるセクシャルハラスメントには、権力(役職・立場)や利益によって、性的な嫌がらせを強要する「対価型セクシャルハラスメント」や、性的な言動によって職場環境を害する「環境型セクシャルハラスメント」があります。
自覚がないままセクシャルハラスメントをしてしまう人もいるため、研修によって男女の価値観の違いを明らかにして、どのような言動がセクシャルハラスメントに該当するのか、理解を深める必要があります。
3.モラルハラスメント研修
モラルハラスメントとは、倫理や道理に反した、いじめや嫌がらせのことを指します。
言葉や態度、身振りや文書などによって、はたらく人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることを指します。パワハラと同様に、うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。
出典:厚生労働省「こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」
モラルハラスメントはパワーハラスメントとは異なり、職場内の立場に関係なく起きる、つまり同僚や部下が加害者となり得る特徴があります。モラルハラスメントは精神的な暴力が中心となり発覚しにくいため、組織として意識的に注意喚起を行わなければなりません。
モラルハラスメント研修では、モラルハラスメントの全体像を学び、どのような言動や行動が該当するのかを理解した上で防止策や対処方法を学習します。
4.マタニティハラスメント研修
マタニティハラスメントとは、厚生労働省で以下のように定義されています。
職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントとは、「職場」において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業等を申出・取得した「男女労働者」の就業環境が害されることです。
出典:あかるい職場応援団:3 職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント
マタニティハラスメント研修では、妊娠・出産・育児にかかわる法律や、それらの女性への影響を学び、どのような行為がハラスメントに該当するのか、男女ともにはたらきやすい職場環境を作るにはどうすれば良いのかなどを考えます。
5.ケアハラスメント研修
ケアハラスメントとは、仕事をしながら親族などの介護をしている人に対して、悪意のある発言や嫌がらせをしたり、介護休業に代表される制度の利用を認めなかったりする行為を指します。
介護はいつまで続くか見通しが立ちづらく、場合によっては長期にわたって仕事に影響があることから、上司や同僚からの理解が重要な要素の一つです。ケアハラスメント研修では、現代の介護を取り巻く状況を学び、仕事と介護を両立できる職場環境について考えます。
6.アルコールハラスメント研修
アルコールハラスメントとは、職場や組織の飲み会で飲酒を強要したり、お酒を飲まない人への嫌がらせや迷惑行為をしたりすることを指します。飲み会は社員同士の交流の機会であるものの、親睦を深めるための振る舞いをしたつもりが、無意識のうちに相手を不快にさせたり追い詰めたりしてしまうケースも少なくありません。
アルコールハラスメント研修では、人によって飲酒量が異なることを認識した上で、具体的にどのような振る舞いがハラスメントに当てはまるのか、飲み会の場ではどのようなコミュニケーションが望ましいかなどについて学びます。
7.ジェンダーハラスメント研修
ジェンダーハラスメントとは、性別の役割に対する強い既成概念に基づいた「男のくせに」「女らしく」といった発言や対応のことを指します。特に近年は、性的マイノリティ(LGBTQ)に対する差別的発言や偏見が、ジェンダーハラスメントとして問題視されています。
ジェンダーハラスメント研修では、こうした既成概念がもたらす組織のリスクを認識するとともに、自分自身の言動を振り返り、ハラスメントに該当しないかを考えます。
ハラスメント研修の方法
ハラスメント研修は、外部の専門家が講師を担当するのが一般的です。開催形式は、主に社内研修・社外研修・オンライン研修の3つに分類されます。それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあるため、より効果を高めるには異なる形式を組み合わせると良いでしょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 講師を招く社内研修 | 自社の課題にマッチしたプログラムを組むことができる | 費用(場所代、講師代)と時間がかかる |
| 外部研修 | 外部に出向いての研修となるため、自社内で準備を進める手間を省ける | 費用(受講費、交通費)がかかる 自社課題に必ずしもマッチしない |
| オンライン研修 | 時間や場所を選ばずに学習できる | 実践型のプログラムは実施が難しい |
ハラスメント研修の流れ
研修形式や実施内容によって多少の違いはありますが、ハラスメント研修は以下の3ステップで進めます。
1.知る
ハラスメントの定義や現状、ハラスメントが起こってしまう背景やその影響について学びます。
2.振り返る
自分自身の日々の言動や価値観、職場環境について振り返ります。グループディスカッションなどを通じて意見交流を図ることで、それぞれの価値観や感じ方の違いを理解します。
3.学ぶ
ハラスメントは、気づかないうちに自分自身が加害者になってしまうケースがあります。被害者・加害者・第三者、それぞれの立場における対処法について考えます。
ハラスメント研修を自社で行う際のポイント
ハラスメントの発生や防止に効果的なハラスメント研修ですが、ただ実施するだけでは、十分な効果は得られません。重要なのは知識をつけることではなく、知識をもとに一人ひとりが正しく行動することです。そのために、研修実施にあたり意識すべきポイントは3点あります。
価値観の違いに触れ、認識を改める内容を盛り込む
価値観や考え方は一人ひとり異なります。「自分は大丈夫だから、相手も大丈夫だろう」という安易な思い込みがハラスメントを引き起こすケースは少なくありません。
ハラスメント研修においては、グループディスカッションやロールプレイングなどの実践的な内容を盛り込み、それぞれの価値観や考え方の違いに気づけるきっかけをつくりましょう。
研修内容は定期的にアップデートする
社会の変化に伴って、ハラスメントの概念も変容を遂げています。
例えば「セクシャルハラスメント」の認知が広まったのは、平成元年の職場でのセクハラを問う裁判がきっかけでした。また「パワーハラスメント」は、職場で苦しんでいる社員を見かねた企業によって、平成13年に提唱された言葉です。どちらも、ここ20~30年ほどの間に顕在化してきた問題です。
また、「飲み会の1杯目はビール」「女性は寿退社」など、かつては受け流されていたような発言も現在は問題視されるなど、社会の常識も変化しつつあります。
そのため、ハラスメントに対する一人ひとりの既成概念を修正し、組織全体の認識を統一するためにも、時代の潮流に合わせた研修内容の見直しが必要です。
アンケートを実施して、研修の効果を測定する
ハラスメント研修は、実施することが目的ではなく、組織内でのハラスメントの予防や職場環境の改善につなげることが重要です。
研修の実施後はアンケート調査を用いて、上司から部下へのコミュニケーションや指導方法にどのような変化が生じたか、組織内でのハラスメント被害の報告数が減ったかなどを測定するようにしましょう。
ハラスメントを未然に防ぐために企業が求められる取り組み
ハラスメントを理由とした離職者は年間86.5万人いるにもかかわらず、半数以上の人が会社に事実を伝えないまま退職をしています。そのため、ハラスメントが発生していても企業側がその事実を把握できず、問題が潜在化しやすいといった懸念があります。
こうした懸念を払拭してハラスメントを未然に防ぐには、あらかじめ原因と対策を想定しておくことが有効です。ここでは、ハラスメント研修の実施と並行して求められる対策について解説します。
属人思考する風土からの脱却
ハラスメントが発生する組織の共通点として、属人思考の高さが関係していることが分かっています。また、属人思考が高い組織は、社員が「相談しても無駄だ」と感じてしまう傾向にあります。

出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」
会議の場で提案者によって意見の通りやすさに明らかな違いがあったり、トラブル発生時に原因究明よりも責任追及を優先する傾向が強かったりする場合は、社内の風土改善に優先して着手すると良いでしょう。
部署や立場にとらわれず、どの社員の意見も平等に扱われるよう、例えば年功序列的な人材マネジメントからの脱却や成果偏重主義の見直しを図ることで、ハラスメントが発生しない健全な風土を培っていきましょう。
上司のコミュニケーション力強化
ハラスメントに対する世間の風当たりが強くなったことによって、昨今の職場では新たな課題も生まれています。それは、上司から部下に対するコミュニケーション不足です。
パーソル総合研究所の調査ではハラスメントと扱われることを恐れて、「部下を飲み会にあまり誘わない」「部下がミスをしても厳しく叱咤しない」といった回避的なマネジメントを行う上司が増えていることが分かります。

出典:パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」
上司と部下のコミュニケーションが希薄になることは、部下の成長機会を阻む要因になってしまっているとも考えられます。上司が「指導」と「ハラスメント」の違いを正しく理解し実践できるようになると、部下も安心して業務を遂行できるでしょう。ハラスメント対策においては、上司のコミュニケーション力強化にも取り組むことをおすすめします。
ハラスメント防止と事後対応のポイント
ハラスメント防止措置に沿って研修以外の企業がとることが推奨される行動と事後対応のポイントについて解説します。
労働施策総合推進法によると、防止措置は以下の4つに大別されています。
- 事業主の方針等の明確化及び その周知・啓発
- 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 職場におけるパワーハラスメントに係る 事後の迅速かつ適切な対応
- 上記にあわせたプライバシー保護や不利益取り扱いの禁止等の徹底
組織にはハラスメントを許さないという意思を明確にして社員へ発信することや、相談窓口を設けて適切に運用するといった取り組みが求められています。
昨今は外部の相談窓口を利用している企業も珍しくありません。社外に相談窓口を置くことで、従業員が相談するハードルが下がったり、組織運営の負担が軽減したりするメリットがあります。
ハラスメント未然防止のポイントをおさえたうえで、万が一の発生時には早急かつ適切な対応を行いましょう。
ハラスメントに関する法令
2020年6月に、「労働施策総合推進法」「男女雇用機会均等法」「育児・介護休業法」が改正されました。この改正により、職場における各種ハラスメント防止のため、事業主に必要な措置を講じることが義務付けられています。
労働施策総合推進法(パワハラ防止法)
労働施策総合推進法のパワーハラスメント防止措置は、2022年4月1日から中小企業においても義務化されたため、日本国内すべての企業でハラスメント防止措置を講じる必要があります。厚生労働省は、事業主と労働者の責務として、以下のように定めています。
- 職場におけるハラスメントを行ってはならないことその他職場におけるハラスメントに起因する問題に対する自社の労働者の関心と理解を深めること
- 自社の労働者が他の労働者(※)に対する言動に必要な注意を払うよう、研修その他の必要な配慮をすること
- 事業主自身(法人の場合はその役員)が、ハラスメント問題に関する理解と関心を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うこと
- ハラスメント問題に関する理解と関心を深め、他の労働者(※)に対する言動に必要な注意を払うこと
- 事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること ※ 取引先等の他の事業主が雇用する労働者や、求職者も含まれます。
出典:厚生労働省「職場におけるハラスメント対策パンフレット」
職場でのハラスメントは、無意識のうちに加害者となっている恐れもあります。一人ひとりがハラスメントについて理解と関心を深め、自身の言動を見直すためにも、適切な研修の実施が求められます。
男女雇用機会均等法
男女雇用機会均等法は、性別による差別を禁止し、職場におけるセクシャルハラスメント(セクハラ)の防止措置を企業に義務付ける法律です。この法律では、企業と従業員が協力した、セクハラのない職場環境づくりが求められています。
企業はセクハラを防止する社内ルールの策定や研修を実施したうえで、加害者に対する懲戒処分や指導ならびに被害者が不利益を受けないような配慮を十分に行わなければなりません。また、労働者にもセクハラ防止のための責任があります。同性・異性間を問わずセクハラ行為を避け、被害を受けた場合は速やかに相談をしましょう。
育児・介護休業法
育児・介護休業法は、仕事と家庭の両立を支援するための法律で、育児休業・介護休業の取得を妨げるハラスメント(マタハラ・パタハラ)防止措置が義務化されています。
企業は、育児・介護休業に関するハラスメントを防ぐため、育児・介護休業の取得を理由とした不利益な取り扱いを行ってはなりません。休業を理由とした降格・減給はその代表例です。また、ほかのハラスメント同様、従業員向けの研修・教育の実施や、相談窓口の設置と適切な対応が求められています。
同様に、従業員も育児・介護休業を取得する権利について正しく理解し、職場でのハラスメント防止に協力する必要があります。
まとめ
「自分は関係ない」「これくらいは大丈夫だろう」といった一人ひとりの認識の甘さが、深刻なハラスメントを引き起こす恐れがあります。無意識のうちにハラスメントの加害者になってしまうことがないように、具体的な場面を想定した実践的な研修プログラムを通じて、ハラスメントへの意識を自分事化することが大切です。
ハラスメント研修を実施する際は受講対象者に合わせた適切なプログラムを策定し、必要に応じて外部の研修を活用しながら、風通しの良い職場環境を目指しましょう。
「HiPro Biz」では、ハラスメント研修について豊富な経験を持つプロ人材が数多く登録しています。貴社の対策に向けて、ぜひ「HiPro Biz」のサービスをご検討ください。
(編集/パーソルホールディングス編集部・HiPro Biz編集部)
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