サービス導入事例

四国電力株式会社

売上:
1000億円以上
業種:
環境・エネルギー

新規事業

海外新規事業を加速させた四国電力の挑戦:プロ人材活用による実践プロセス

事業開発室 国際事業部
課長職
  • 安藤 伸吾 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    四国で培ってきた電力事業を含む総合インフラ事業を、海外でも展開できないか検討していた四国電力株式会社。しかし、海外発電事業での急速な事業拡大に対応できる人材リソースが不足していた。特に電力以外の新規事業領域での海外への展開については専門知識を持つ人員を十分に確保できず、スピード感を持った検討に課題があった。

  • AFTER導入による成果

    海外での新規事業領域の展開に関する深い経験と知見を持つプロ人材を起用し、短期間で成果物の創出を目指すプロジェクトを始動。その結果、社内で並行して検討していた内容を裏付ける成果が得られ、チーム内での意思統一やプロジェクトの方針決定の加速に貢献できた。新たな海外ビジネス拡大に向けた大きな足掛かりとなった。

国内基盤から世界へ。確かな実績と成長性で、新たな展開を目指していた

四国電力は、四国内における電力の安定供給を主に担ってきた電力会社である。従業員数は約8,000人と、四国でもトップクラスの規模を誇り、発電・送電・小売の3つを主軸事業として展開している。一方で、地方人口の減少に伴う電力需要の低下を見据え、電力事業だけにとどまらない多角的なインフラ事業にも取り組んできた。

電力事業に付帯する建設やエンジニアリング、国際事業に加え、個人向け光ファイバー通信サービスを提供する情報通信事業など、幅広い領域で事業を拡大。なかでも2003年から開始している国際事業部門では、海外各地で火力発電事業や蓄電池を含む再生可能エネルギー事業を推進してきた。

国際事業部 課長の安藤氏は、これまでの取り組みについて次のように語る。
「私自身、国際事業部には13年間携わっており、直近ではインドネシアの再生可能エネルギー開発事業者であるHero Global Investment社への出資や、ウズベキスタンにおける大規模な再生可能エネルギー・蓄電池複合型プロジェクトなどを担当してきました。海外での電力事業が好調に推移していることを受け、四国電力として多角的な海外展開をさらに進めていきたいと考えています」

その一方で、四国内で成長しているデジタルインフラ分野など、電力以外のインフラ事業を海外でも展開する構想が浮上。特に四国と世界がつながるデジタルインフラ分野による新たなビジネスの創出を目指し、安藤氏のチームではデータセンターを含む国内外のデジタルインフラ投資の検討を開始した。しかし、海外ビジネスの加速に向けて動き出す中で、新たな課題が明らかになっていった。

急成長ゆえのリソース不足。新たなビジネス展開に向けた遅れを懸念

海外での新規事業展開に向けて詳細検討を進める中で浮上したのは、リソース不足による検討スピードの低下だった。国際事業部は短期間で国内電力会社の中でトップクラスの事業規模へと成長し、大きな成果をあげてきた一方で、デジタルインフラという新たな事業展開に割ける人員は限られていた。加えて、海外事業に関する専門的な知見やスキルを持つ人材を新たに確保する余裕もない状況にあった。

安藤氏は「HiPro Biz」に相談した背景について、次のように振り返る。
「実は、他部署で『HiPro Biz』を活用していた事例があり、その話を聞いたことがきっかけでした。四国内で展開している事業を海外でも推進していくには、やはりマンパワーが必要です。しかし、元々当社には海外事業に知見の深い人材が限られ、さらに既存プロジェクトが進行する中で新たな人員を確保するのは難しかったため、外部人材の活用を検討していました。このような背景で、ご相談するに至りました」
今回のプロジェクトでは、年度内に成果物としてまとめるスケジュールで依頼。「HiPro Biz」の利用を検討開始から1カ月でプロジェクトはスタートし、3カ月の間、成果完成型のScrumプランで活用した。検討から人材アサインまでのプロセスについて、安藤氏は次のように語る。

「これまでにも大手コンサルティングファームの外部人材を活用した経験はありましたが、特定業務をピンポイントで依頼する事例は少なく、事前の情報共有といった起用までの準備期間やコスト面が負担になることもありました。その点、『HiPro Biz』では求める要件に対して適切な人材をスピーディーに提案してくれて、とても助かりました。正直なところ“まずは試してみる”という感覚での依頼でしたが、スムーズに進んだことで、次年度の事業計画にも反映させることができました」

成果完成型の「Scrumプラン」で得た、最速かつ高密度の成果

今回、安藤氏が活用したのは、成果完成型の「Scrumプラン」だった。複数のプロ人材が各々の専門領域の知見で支援を行い、成果物を納品するサービスである。

Scrumプランを選択した理由について、安藤氏は次のように語る。
「外部人材を活用するにあたり、コミュニケーション面には一定の懸念がありました。我々のビジョンや方針を共有し、認識をすり合わせるには時間がかかる事が想定されるためです。その点、成果完成型のScrumプランは、必要な納期で具体的な成果物が得られるため、契約期間中の取り組み内容が可視化されます。結果として、外部人材との意思疎通だけでなく、社内メンバーを含めた全体の方向性を揃えやすいと考えました」

四国電力における海外でのデジタルインフラ事業に関するプロジェクトは、約3カ月の契約期間中にオンラインミーティングを重ねて進行した。事業の情報整理や知見の補完などを短期間で集約していくプロセスは、社内においても多くの刺激をもたらしたという。

「海外事業の進め方について、参画いただいたプロ人材のM氏とA氏は、我々が求めていた水準のノウハウ・知識を持っており、非常に心強く感じました。こちらからのコメントをもとに、自ら役割を理解し主体的に動いていただけた点も印象的です。必要な論点を的確に捉え、スピード感を持って推進していただきました」と安藤氏は振り返る。

完成した成果物についても、短期間でありながら密度の高いアウトプットが得られたことで、プロジェクト全体の方向性が明確になったという。
「成果物は社内でも共有しましたが、メンバーからは『非常に短期間の検討の中であったが、しっかりまとまっている』『わかりやすく整理されている』といった声があがりました。限られた期間の中でも、我々の意図やフィードバックをしっかり反映していただけたと感じています。新規プロジェクトを推進するために、十分に活用できる内容でした」

複数のプロ人材の知見と成果物を得られるScrumプランは、リソース不足やスピード感の課題を抱える本ケースに有効だったといえる。今回の取り組みは、四国電力にとって新たな海外事業展開に向けた確かな一歩となった。

新規の海外展開に新たな兆し。チームの意思統一と大きな一歩に

約3カ月間で創出された成果物は、安藤氏らにとって思いがけない偶然の一致があった。
「ちょうど我々がScrumプランで3カ月間かけて検討した成果物の内容と、社内の別のチームが得ていた情報が非常に近い方向性だったのです。我々の成果をお互いに裏付ける資料として活用できる内容であり、チーム全体に対しても、事業の進め方や重要性をより明確に説明できるようになりました」

プロ人材によってまとめられた成果物と、社内での別の検討内容が合致したことで、プロジェクトの方向性に対する確信が強まった。その結果、チーム内の意思統一が進み、方針決定に向けた大きな一歩につながったという。
「短期間ではありましたが、自分たちだけでは得られなかった多角的な視点や知見を取り入れながら、成果物の完成に向けて議論を重ねた時間は非常に有意義でした」と安藤氏は振り返る。

一方で、外部人材とのコミュニケーションはオンラインが中心となった。
「『HiPro Biz』に登録されているプロ人材は都市圏在住の方が多く、やり取りは基本的にオンラインでした。対面でのコミュニケーションのほうがよりスムーズに進められたのではないかと感じる場面もありましたが、地方では出会えない専門性の高い人材の知見を活用できる点は、大きな価値だと感じています」

今回、「HiPro Biz」を初めて活用したことで、外部人材に対する認識にも変化が生まれたという。
「これまでは、できる限り社内の人材やリソースで完結させるという考えが強かったのですが、『HiPro Biz』を利用したことで、外部人材を積極的に活用するという選択肢が現実的なものになりました。次の施策を検討する際にも、『HiPro Biz」で解決できるのではないかという視点が持てるようになったのは、大きな変化です。今後の事業展開においても、重要なターニングポイントなったと感じています。まずは気軽に相談できる点も魅力の一つです。実際に活用してみたことで、『この領域でも任せられるのではないか』といった新たな発想が生まれました。一度利用することで、他のプロジェクトへの応用や新たな活用方法も見えてくると感じています」と安藤氏は語る。

「HiPro Biz」の活用を通じて、今後のデジタルインフラ領域における海外での事業展開にも期待が持てるようになったとのこと。
「今後は、既存の海外発電事業にとどまらず、新たなビジネスを海外でさらに拡大していきたいと考えています。現在はデジタルインフラ分野に注力していますが、この領域は地域への貢献につながるだけでなく、四国にいながら世界とつながることができる点に大きな魅力があります。国内外の人材や企業を呼び込み、地域活性化と海外事業の拡大を両立できる可能性もあると考えています」

一方で、デジタルインフラ分野は専門性が高く、技術革新のスピードも速い。自社内で必要な人材を確保し続けることは容易ではない。
「だからこそ、こうした領域に強みを持つ外部人材の存在は非常に重要です。今後も『HiPro Biz』には、継続的にサポートいただきたいと考えています」

プロ人材の活用を通じて、新たな可能性を見出した同社。今回の取り組みは、海外における新規事業展開を加速させるとともに、組織全体の意思決定の在り方にも変化をもたらす契機となった。今後もさらなる海外事業拡大に向けて、活躍が期待される。

企業名
四国電力株式会社
設立
1951年5月1日
従業員
2,121人
売上
8,513億円(2024年度)
事業内容
電力事業、建設・エンジニアリング事業、国際事業、情報通信事業

担当プロ人材より

【プロ人材:M氏】
四国電力様は既に電力関連の海外事業で素晴らしい実績を積み上げており、今回デジタルインフラ事業に関するプロジェクトでご支援する機会をいただきました。

安藤様のチームはグループ事業を含めた国内での実績がすでにあるため、皆さんデジタルインフラ領域においても高い知見をお持ちで、非常にレベルの高い議論が展開されたと感じています。最新のデータに基づき常に複数の選択肢を提示しつつ、優先順位をつけてお出しした提案が同社の今後のさらなる海外事業の発展に繋がれば幸いです。

【プロ人材:A氏】
今回のプロジェクトでは、四国電力様がこれまで電力事業で培ってこられた知見と、情報通信・デジタルインフラといった新領域への挑戦が大きなテーマでした。既存の国際事業で既に大きな成功を収めている一方で、新たな領域に踏み出すには、限られたリソースの中で論点を整理し、短期間で意思決定に耐えうる材料を揃えることが求められていました。

「HiPro Biz」のScrumプランの枠組みを活用し、各ステップで安藤様をはじめとするプロジェクトメンバーのご意見を反映しながら、検討とアウトプット作成を短いサイクルで往復できたことが、密度の高い成果物につながったと思います。

今後、同社の海外新規事業、特にデジタルインフラ領域における次の一歩を後押しする「共通言語」として、社内外の議論に活用されていくことを期待します。また、世界とつながるビジネスを拡大していこうとする四国電力様の姿勢は、今後の日本企業にとっても一つのロールモデルになると考えています。

登録プロ人材   【M氏】1983年東京大学法学部卒業後、日本電信電話(現NTT)入社。のちにカリフォルニア大学ロサンゼルス校にてMBAを取得し、NTT America社にてデータセンターサービス担当上級副社長を務める。その後NTTコミュニケーションズのネットワーク事業部で、アジアを対象にしたグローバルネットワークの品質改善チームの責任者を務めた。2010年にポリコムジャパン代表取締役社長に転職、その後インターソフトKKの取締役社長、COLT(旧KVH)執行役員などを歴任。

【A氏】2007年から2009年まで、戦略コンサルタントとしてボストンコンサルティンググループに勤務。その後、大阪大学に入学。2021年までIHIにて正社員として海外市場参入における戦略や技術コンサルタントとして活動。その後法人設立し、戦略コンサルタントとして活動中。また、2021年からIHIの業務委託契約として戦略アドバイザーを務め、DELLテクノロジーズでは事業戦略および営業戦略を担当。

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