サービス導入事例

株式会社オージス総研

売上:
100億円~1000億円未満
業種:
広告・情報通信サービス

マーケティング

プロダクトの価値を再定義。オンライン/オフラインでの効果検証を通じて、ユーザーが本当に求めるニーズを可視化

クラウドソリューション部
  • マネジャー   福井 完人 氏
  • 部長      野々峠 裕文 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    新規プロダクトの特長が細分化してしまい、ターゲットの悩みに対して伝えるべき魅力がまとまらず、リード獲得や商談設定に課題を抱えていた。

  • AFTER導入による成果

    プロ人材とのディスカッションを経て、顧客ベネフィットの言語化・分類化に成功。ABテストによる効果分析を重ねて、オペレーションの仕組みを構築。

ノウハウの外販を目指すも、ベネフィットの伝え方に課題を感じていた

Daigasグループの一員として、社会インフラを支えるためのITソリューションを多数展開する株式会社オージス総研。同社は2021年4月に、ITインフラにおけるDaigasグループの運用効率化で得たノウハウをもとに、ハイブリッドクラウド環境向けの運用自動化ソリューション「Cloud Arch(クラウドアーチ) 」の外販をスタートした。本サービスは、クラウドの利用が加速する中で、多様化するクラウドサービスにエンジニアの人数・スキル習得が追い付かないという課題に対して、単純作業や判断領域をAIで自動化することで、システム運用の負担軽減を目指している。

しかし、クラウドソリューション部の責任者である野々峠氏は、当時の状況について「システム開発における技術力があり、自社グループで実績が生まれていても、それが本当に良いものだと顧客に分かりやすく伝え、活用していただくための販売ノウハウを急速に高める必要があった」と明かす。スピード感をもって事業を展開していくには、マーケティングやセールスに強みを持った人材の協力が不可欠であった。

そこで同社は、外部人材の活用やSaaS立ち上げ支援など、幅広いサービスを検討。最終的にHiPro Bizにたどり着いた理由として、「一部に特化すると物足りなく、話が大きすぎると現実味がないという中で、私たちがやりたいことに対するフィット感があり、できそうと感じられたのが決め手になりました」と振り返った。

そして、同社はリードを獲得するためのマーケティング施策の実施と、商談のストーリー化による業務平準化を目標に、マーケティング領域にて100を超えるプロダクトの支援実績を持つD氏を迎え、プロジェクトを開始した。

ニーズを集約し、メルマガや展示会での効果検証へ

D氏との取り組みは、サービスによって生まれる価値の言語化から始まった。Cloud Arch(クラウドアーチ)は提供できるソリューションの範囲が広い分、誰に対して何を伝えるかというパターンが細分化しており、営業担当ごとの認識もバラバラになってしまっていたのだ。このような状況では、マーケティングとの認識のズレや、営業担当の業務レベルにも影響が出てしまう。コンスタントに受注を生み出すには、共通認識を生み出すための型が必要だった。そこで同社は、ニーズを絞り込むため、「このサービスにどのようなメリットがあるか」という候補を洗い出すことにした。

実際に意見を集めてみると、「コストが抑えられる」「作業ミスが減る」「エンジニア不足が解消できる」「障害対応時間が短くなる」「AIで運用が自動化できる」など、様々な価値の候補が挙がった。この段階ではまだどの候補がユーザーに響くのか分からなかったため、候補を分類して、複数パターンのWebページを作成した。Webページを構成するメッセージやレイアウトにも、D氏のアドバイスを反映し、フォーマット化を施している。

それぞれのWebページの効果を確かめる施策には、メルマガによる訴求テストを用いている。開封率、クリック率、CV数などの指標で、どの訴求がユーザーに響いているのかが分かる仕組みだ。開封率やクリック率は、配信対象者やメルマガの文言でも変化が生まれるため、配信条件を変えてテストを続けている。

また、Webページで構築した訴求パターンは、展示会にも活用された。会場では訴求パターンごとにエリアを分け、ユーザーがどの訴求のエリアに足を止めるかによって、説明すべき内容を変更した。この仕組みによって、展示会でも効果検証を行うことに成功している。

これらの取り組みに対して、ビジネス共創チームのマネジャーを務める福井氏は、「まだテストを継続している段階ですが、Webページが分けられていることで、どのメリットにお客様が興味を示しているかが事前に分かり、営業担当が伝えるべき内容も明確になってきています」と手ごたえを語った。現在はパンフレットや営業資料もリニューアルし、既存顧客へのアプローチや、他の施策との連携も進んでいるという。

リード獲得数が伸長し、昨対比170%ペースでの成長速度を実現

本プロジェクトを通じてユーザー心理の理解が進み、訴求ポイントの分類が実現したことで、Webや展示会でのリード獲得は好転した。特に展示会では訴求内容の出し分けによって、オペレーションを最適化することで約5倍のリードの獲得に成功している。Webについては目標に届いてはいないものの、順調に数値が伸びてきている。福井氏は「訴求軸の拡充や施策同士の連携など、まだ手を付けられていない部分もある一方で、リード獲得は着実に生まれています。現在のペースだと昨対比170%ほどで、今後にも期待が持てます。営業現場についても、立ち上げ当初は2~3週間に1回ぐらいのアポ頻度でしたが、今は毎日誰かがお客様と商談をしていて、良い変化が生まれていると感じています」と成果を振り返った。

当時、Cloud Arch(クラウドアーチ)は立ち上げ間もない時期だったこともあり、可及的速やかな対策が必要だった。その点において野々峠氏は、「事業の中で不足している知見・ノウハウを素早く補強できました。特定の分野を恒久的にお願いするというより、自分たちで担える体制にしていきたいと考えていたので、自走するための支援を受けられたのはありがたかった」とHiPro Bizの魅力を語ってくれた。

将来的な目標について、販売のデジタル化に注力したいと同社は語る。Cloud Arch(クラウドアーチ)が自動化を掲げているのもあり、新たな施策を試していくためにも、デジタルで代替できる領域を拡張していき、人材の負担を減らしていきたいという。まずはWebでのリード獲得を増加させるため、訴求軸を拡張しながら、施策の連携を強化する。

また、同社はCloud Arch(クラウドアーチ)での販売戦略の仕組み化をもとに、別プロダクトの仕組み化も視野に入れている。D氏との共創で得た知見・ノウハウを活かしながら、SaaSビジネスの強みを整理し、受注プロセスの設計における再現性を高めていく。

企業名
株式会社オージス総研
設立
1983年6月29日
従業員
1,520名(単体)※2022年3月31日現在
売上
45,469百万円(単体)※2021年度
事業内容
システムインテグレーション、ITコンサルティング、プラットフォームサービスなど

担当プロ人材より

プロジェクトの推進ご担当者様から、営業の現場の方に至るまで、社内にいくつかの課題があっても「推進していこう」という意識が全社的に非常に強い企業様だなと感じたことを覚えています。また、実際の施策の実行フェーズにおいても「よし、やってみよう」とリスクを恐れず、妥協無く向き合って頂いたことも、素早く成果に直結した理由の1つであり、同社の強みだなと感じました。

今後益々の飛躍が期待できますし、引き続き同社の力になれるよう、私も尽力したいと思います。

登録プロ人材 D氏(40代) 営業および、マーケティング領域において「商い」を、デジタル化し、クライアント企業の業績を急進させる専門家として活躍。支援・参画している各社で、経営陣はじめ、時には100名以上のマネージャー、幹部クラスらを巻き込み、わずか1年足らずで全社に波及する「受注プロセスの最大化」を実現している。マーケティング組織構築のプロとして国内・海外で活躍中。

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