プロ人材紹介

櫻井 寛

得意分野:
ロボティクス、
生産・品質

技術部門と営業部門両方の経験、そして経営者としての目線で
潜在ロボット化希望企業を支援する

PROFILE

1979年にファナック株式会社に入社し、技術部門課長、営業部門でFA国内営業本部・西部次長を務める。1998年にドイツFESTOの日本法人、フェスト株式会社の社長に就任。その後数社で社長、経営プロ人材を歴任し、2014年5月に永昇電子株式会社社長に就任。後に顧問となるも、ロボットシステムインテグレーションの仕事を継続。顧問就任2年目からは新たな顧客に対するプロ人材活動を開始した。ロボットシステムインテグレーター育成強化政策を掲げる経産省、日本ロボット工業会の活動支援にも参画。

さまざまな立場で経験を積んだ、
ロボットシステムインテグレーター

私は1979年に大手電気機器メーカーに就職して20年近く働きましたが、技術部門と営業部門の双方で経験を積んできたことが大きな特徴で、現在のプロ人材活動に大いに役立っていると感じています。

また同社を辞めてから外資企業の日本法人社長や、産業再生機構からの派遣で大手工作機械メーカーの取締役営業本部長を務めたり、他にも米国企業傘下の空気圧機器メーカーの社長、レーザー機器メーカーで経営顧問、精密部品・工作機械メーカーの事業部長および新規事業開発部長と、さまざまな地位や立場でロボットシステムインテグレーターにつながる豊富なキャリアを積んできました。そして2014年には電子機器メーカーの社長就任を経て、その後退任し顧問となり、現在は兼業として他社のプロ人材活動を行っています。

かつて働いていた会社の関係で顧問業の紹介もありますが、HiPro Bizからの案件が多くなっています。人脈があるにもかかわらずHiPro Bizのサービスを利用している理由は、やはり過去の人脈を利用しただけでは、「まだロボットを使ったことがないけれどロボット化をしたい」という、いわゆる「潜在ロボット化希望企業」に出会えないからです。とは言え私個人レベルで探しても簡単にはできませんし、インターネットで探しても情報は上がってこないのです。
このような隠れた需要を持つ企業は、そもそもどこに相談すれば良いのかさえ分からないのが現状だと思います。そのような企業がHiPro Bizのサービスに相談をすること、そしてHiPro Bizの営業担当者の努力が結実し、企業と私との出会いが実現されると期待しています。

他力本願からの脱却、労働力不足への対応。
多角的な視点で課題を解決

現在、支援を行っている電気機器メーカーでは、自動車関連メーカー向けの組み込み用機器の販売比率が高い状態で、お客様先の企業が成長し続けない限り、同社の成長も維持して行けない状況にありました。そこで同社では、これまで長年にわたり培ってきたコア技術やコア市場をベースに、新たな発想の製品を開発し、また今後に大きな成長が見込める成長産業市場でのビジネス展開を実現すべく、事業戦略を立案されました。

同時に、この新たな事業戦略を、着実に、かつ目標期間内で実現するためには自社人材の知識や経験だけでは十分に対応できないことも認識されていました。そこで、HiPro Bizから紹介された私のこれまでの事業経験や知識が、同社の新戦略の実現の方向に向いていて役立ちそうだとご判断いただき、技術的支援、マーケティング的支援のご依頼をいただきました。

プロ人材としての活動では、まずは同社の事業戦略を理解し、次に新製品のコンセプトや仕様、考えている市場候補を、同社エンジニアと共有したり、レビューしたりしました。その後、同社製品の採用の可能性があって、同社の既存顧客にはなかった業界企業や、ロボット関連業界で私と親しい企業との面談をセットし、ミーティングにおいても両者の議論のコーディネーションを担っています。兼務プロ人材になってからの新たな顧問先や新規人脈が、同社の新製品の候補市場として結びついていることもあります。但しこのケースでは、お互いの顧問先の守秘義務に関わりますので、両者の同意を得ることが大前提です。

また、昨今問題になっている人手不足に関わる対応支援に関してですが、ある原材料メーカーでは、完全自動化されたプラントで、原材料はどんどん大量生産されるものの、缶や袋などの容器に、お客様ごとの要求量に応じて配分されて出荷されます。ところがこの作業が、なかなか自動化ができませんでした。原材料が扱いにくい性質であったり、同じ原材料が様々な製品に使われるために、お客様ごとに要求量が異なったり、理由は様々です。このような場合は、人に頼った方が、融通が効いて楽でした。

一般的に原材料メーカーは、地方の中核都市近辺に存在することが多く、これまではパート社員などの労働力に困ることはあまりありませんでした。ところが昨今の少子高齢化による人手不足は、若手人口の都会への流出や、現在のパート社員の高齢化に伴う作業不適合などで加速し、地方でも深刻な問題になりつつありました。そのような背景から、「作業員が何とか確保できている今のうちに、現在の手作業の部分の自動化を実現してしまいたい。その方策と、具体的にどのように実現していけばいかを支援してもらいたい。」とのご依頼を受けました。

プロ人材としての活動では、まずは同社の支援依頼の対象となる原材料の事業状況を理解し、次にその原材料が用途別、お客様別に配分されている工場の現場を見学し、人手でどのような作業により、製品が配分されているかをつぶさに観察しました。その結果として、人の作業のどの部分が自動化しやすく、どの部分は自動化しにくいかの判断をしました。そこから自動化しやすい部分を、どのようにロボットなどの自動運転システムに置き換えていくかの構想を練り上げるのです。自動化しにくい作業は無理には自動化せず、人に任せてロボットとの共存化、協働化を考えます。お互いの不得意とするところを補うようにすることが、今できる最適な自動化システムであったりします。

そのような経過を経て、システム構想をご支援先企業に提案してレビューをしてもらうことになりますが、原材料産業の場合は、私が得意としてきた工作機械業界、電気電子機器業界の自動化とはまた違った難しさがあったりします。工作機械の扱う相手は金属で、簡単に動いたりしませんが、原材料の場合は、固体であったり、液体であったり、粉であったりと、形が変わることが多いことから、「ロボットでは扱いづらい」と言ったケースも出てくるのです。

このように、自分自身の経験の浅い産業分野向けの自動化、ロボット化につきましては、自分の経験に基づいたできる限りの提案をしながら、この提案が顧客の属する産業分野でも実現できるように、ご支援先企業のご担当者と議論を重ね、提案に対する修正を繰り返しながら、最適な解決策に近づいていくようにしています。

現在、ご依頼をいただく案件は、時代を反映して自動化、ロボット化のご要望が多く、世の中のニーズと私が提供できるシーズがマッチして、支援がまとまりやすい傾向にあります。また、かつて会社に属していたころに経験した、技術部門と営業部門両方の経験、そして経営者としての目線を持っていることも大いに役立っていると感じています。

しがらみもなく、適切な意見を具申。
プロ人材やアドバイザーの力をもっと活用してほしい

プロ人材やアドバイザーを会社に招き入れることに、まだ抵抗があるという話をお聞きすることがあります。しかし私は第三者の方がより効果的な事業の提案ができたり、課題を解決できるのだと考えています。
その理由はまず、人間関係においてしがらみがないということです。誰が考えたことだから、誰が決めたことだから意見を言うことができない、といったことは、第三者であるプロ人材やアドバイザーとしてはほとんどありません。当然状況を考えて適切な時に、適切な方法で意見は言いますが、これはプロ人材やアドバイザーならではの活動ではないかと考えます。
また技術者は往々にして外の世界を知りません。自社のことしか知らないので、私から見るとなぜこういうことを知らないで、この製品を作っているのだろう、と思うことがあります。
そういった技術者が知らない外の世界の情報や考え方を、会社に補える存在がプロ人材やアドバイザーではないでしょうか。そして多くのケースにおいて、私はご支援先の現場の方々より年齢を重ねています。業界で長く生きているということは、それだけ過去に失敗の経験があるということです。その知識と経験を大いに活かすことができるのがプロ人材やアドバイザーです。
プロ人材やアドバイザーは、支援させていただく企業のご担当者様が、行ったことがないから知らないもの、そして年齢の差により時間的に経験したことがないもの、その両面からアドバイスができると考えています。

私は、プロ人材や第三者のアドバイザーという仕事がもっと広まれば良いと願っています。特に私たち現在のプロ人材は、かつて部屋を与えられて遅い時間に来て新聞を読んで、必要な時に少し話をするだけといった過去のプロ人材とは全く違います。
人口の減少に伴い、いずれ労働者が減り、労働力が不足する時代が訪れるでしょう。同じように、労働者の知力も減少していきます。この時代に、私たちプロ人材の知識・知恵・経験を使わない手はないと考えます。
60歳を過ぎて少しは体力が落ちたかもしれませんが、まだまだ杖が必要なレベルではありません。自社の力だけに頼ると獲得するのに数十年が必要になる知識・知恵・経験が、プロ人材や第三者のアドバイザーに相談してもらうと2~3年で得られるかもしれません。労働力が減少する時代に、うまくお互いに補完し合えるのではないでしょうか。

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