中村 武治
- 得意分野:
- 営業・マーケティング、
- 新規事業
新規事業・新商品マーケティングの多様な実績を強みに
企業が描く 「こんなことをやりたい」 を具現化し、伝え広める
PROFILE
株式会社ファイブフォックスのグループ会社で営業を経験した後、1991年に株式会社フェイスを立ち上げ、レディースブランド「50:50」をデビューさせる。2006年より広告会社とフリーランス契約を結び、プロジェクトのコンセプト立案、プロモーション戦略、スペースブランディングなどに従事。2009年株式会社コルレオーネ・インベストメント・ジャパンを設立し代表取締役社長に就任。これまでに医療機器メーカーや加工食品メーカー、飲料メーカーなどの、様々な企業の話題となったコンセプトショップの開発に多数携わっている。
アパレル、不動産を経て、ブランディング領域へ。
「スペースをメディア化する」仕掛けが大きな話題に
37歳で個人事業主としての活動をスタートし、以来15年間にわたり店舗開発や立地マーケティング、コンサルティング業務に携わってきましたが、実は最初に自分でアパレル会社を立ち上げたのは、それよりかなり前の23歳の時です。当時は携帯もインターネットもなく、20代で起業するのは非常にまれな時代。自分のブランドを作りたいという一心でしたが、いざ起業してスタートしてみると、それまで大手アパレルの営業マンとして培ってきた経験や自信はすぐに崩れ去りました。大企業の一流ブランドの威力があってこそ築けた自分の立場を、実力と勘違いしていたんですね。モノづくりの厳しさを突き付けられ、もう一回死ぬ気で頑張ってみようと心を入れ替え、再チャレンジしました。
まずはファッションもライフスタイルから創造してみようと考えました。当時はちょうどディスコからクラブへ移行していた時期で、クラブで着てもセクシーでカッコよく、普段使いでも着られる服が無かった。そこで世に出したのが、後にセクシー×カジュアルブランドとして人気となった「50:50」です。多数のタレントやスタイリストから支持を得て世の中に広く浸透し、一つの新しい文化を作れたという自信になりました。いわゆる4大ライフスタイルと呼ばれる「衣・食・住・サービス」の、「衣」についてはやり遂げたと感じ、その次に、4つの中で最もなじみの薄かった「住」、つまり不動産に注目したことが、今につながっています。
不動産の世界は住居系と商業系に分かれておりますが、アパレル時代はBtoCをやったので、この分野ではBtoBつまり商業系不動産において誰もやったことのない事業を創造したいと思うようになりました。そんなときに気付いたのが、渋谷のスクランブル交差点にある屋上看板やテレビジョンなど、不動産が宣伝メディアとして重要な役割を果たしている現状でした。その頃ちょうどアメリカではiPhoneなどのスマートフォンとFacebookやTwitterなどのSNSが話題に上り始めたころで、私はこの先、日本人が1人1台スマホを持つようになれば、個人が発信する側となり情報を拡散する時代が来る。そうなれば平面の不動産だけでなく人々が体験する空間(スペース)を起点とした拡散が起こせる。そう確信した私は自身のブランド戦略を固め、「スペースをメディア化する男、中村武治」と名乗り始めたのです。
その後、広告会社とフリーランス契約を結び、酒類メーカーのコンセプトショップの開発プロジェクトに参画。飲食店に専用サーバーを購入してもらうには、まずは一般消費者に商品を認知してもらい、購入したいと思ってもらう必要があると考え、仕掛けたのがリアル店舗型のプロモーションでした。銀座の一等地で、しかも期間限定でバーを開くという、世間的には「非常識」の極みとも言えるアイデアをカタチにするために、物件取得をはじめとする泥臭い交渉を自ら担い、実現にこぎつけました。ふたを開ければ連日2時間待ちの行列ができる盛況ぶりで、広告換算価値にして1ヶ月あたり数億円単位の成果になりました。その実績を足掛かりに、以降、医療機器メーカーや加工食品メーカーのコンセプトショップ、缶コーヒーのテレビCM連動型コンセプトショップなど、さまざまな開発に携わりました。
リアルマーケティングの知見と経験を駆使し
大手メーカーのコンセプトショップ出店を支援
現在は商業不動産総合コンサルティング会社を経営しており、複数社と契約を結び、プロ人材およびアドバイザー業務に携わっています。そうした状況のなかでHiPro Bizに登録したのは、これまで関わりのなかったような企業様に対しても、私が培ってきた知見や経験を役立てられるのではないかと思ったからです。業界・業種・業態に関わらず、企業の「こんなことをやりたい」という思いを具現化し、それを伝え広めることにおいて、強みを発揮できると考えています。
これまでHiPro Bizの紹介で支援した案件の一つは、大手精密機器メーカーの新規事業開発支援です。同社が目指すのは、AIを活用した自社の有機野菜栽培システムを海外に広げること。そのためにはまず、実際に野菜を食べるエンドユーザーにおいしいと思ってもらうことが不可欠だと考えました。つまり、BtoBだけでなくBtoCにも同時にプロモーションすることが重要で、まさにビールサーバーの時と同じです。そこで、このシステムで生産された野菜やフルーツの魅力を海外の一般消費者に知ってもらうために、産業施設を展開することにしました。私はこの施設全体の構想や、開発計画の支援を主に担いました。
もう一つは、食品業界の大手会社の新規事業立上げ支援です。同社の新商品を打ち出すに当たり、通販だけではなくユーザーとのリアルなコンタクトポイントが必要との考えから、まずは消費者向けにコンセプトショップを立ち上げて、認知度を高めつつ消費者の声を拾っていくことにしました。私は商品開発のところから携わり、コンセプトショップの企画立案、出店戦略、店舗開発業務をご支援しました。
今後は、顧客体験デザインが最重要になる。
IT企業も顧客のリアル体験の重要性を認識
顧客体験には、「有形と無形」があります。
有形は、商品であるプロダクト体験。
無形は、五感体験。
この2つの顧客体験デザインがユーザーからの信頼支持に繋がり、ブランディングが可能になります。
世界でユーザーに支持されている商品・サービスは、有形・無形の体験を「らしさ」と「でしか」で表現する体験デザインに優れています。 しかしこの有形・無形の五感実体験は、私たち人間のライフスタイルの中で、リアルスペースが唯一の場となります。
そして今後最も重要になるのが、「独自の顧客体験デザイン」です。
例えば、スターバックスのプロダクトは「コーヒー」ですが、私たち顧客は、コーヒーを飲む体験だけをしにスターバックスにわざわざ行くのでしょうか?違いますよね。「スターバックスらしさ」の全てを五感体験しに行くわけです。
本を買うのにAmazonではなく、なぜ蔦屋書店のT-SITEにわざわざ私たちは行くんでしょうか?本という有形のブロダクト体験だけでなく、「蔦屋でしか」の全てを五感体験しに行くわけです。
今後は、独自の「らしさ」体験、「でしか」体験をデザインしていかなければ自社の顧客が離れてしまいます。
ネットで何でも買える今の時代だからこそ、唯一の五感体験スペースであるリアルの価値に沢山の企業が気づき始めています。スマホやPC上では味わえないリアルな体験をユーザーに提供する、ブランディングやプロモーションのスペースを作る。この重要性を理解される企業様が増え、近年は非常に依頼が増えています。宅地建物取引業者免許を有する不動産会社を持っていることにより、物件の契約締結まで含めたプロジェクト具現化支援ができる点も私の強みです。
そして企業様の本質的な課題を解決していく上で心掛けているのは、最初の面談の場から、率直に本音でお話しすることです。新規事業や新商品の考案が行き詰まる原因として非常に多いのが、開発担当者が上司や経営陣の顔色ばかりを気にしてしまい、本当に見るべきユーザーの姿を見失いがちになってしまうことです。そのため面談の場では「ユーザーを見ていますか」「中途半端な方向に走っていませんか」と、相手が触れられたくないであろうことも最初から率直に指摘します。それくらい本音で向き合える関係性でなければ、ともに課題解決に挑むことはできないと思うからです。
最後になりますが、2020年からは5G・IoT・AIなど更なるテクノロジーの進化により、リアルとデジタルは融合されます。しかし、五感体験を具現化できる唯一の場は、不動産(リアルスペース)なのです。私は様々な業界・業種・業態の企業様独自のカスタマー・エクスペリエンス・デザインをご支援いたします。 企業のリアルスペース活用法も今後10年で大きく変化します。常に10年後の常識を先回りしたご提案・ご支援を目指しております。