伊富貴 大志
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採用を経営課題として解決する。現場と経営をつなぐ採用戦略パートナー

PROFILE
淡路島出身。2006年新卒入社。東証一部上場の大手人材サービス会社2社で、求人広告、人材紹介、人材活躍支援、顧問紹介など、15年にわたりさまざまな人材事業に携わる。在籍中はマネージャーとしてチームマネジメントも経験。事業部の年間MVPなどの各賞を受賞。2019年12月に独立、株式会社キーブイ・カンパニーを設立し代表取締役(現職)。採用戦略の立案から実行までを一気通貫で支援できることを強みとし、特に専門性や難易度の高い職種の採用を得意とする。
採用難度の高い領域を、戦略から定着まで一気通貫で支援
私は2006年に新卒で大手人材サービス会社へ入社し、約10年間、新卒採用・中途採用のコンサルティング営業や組織マネージャーを務めました。
営業として大切にしていた信念は、「顧客の採用課題を解決するために、必要なことはすべてやる」ことです。一般的な人材サービス会社の営業では珍しいケースかもしれませんが、採用課題をフラットに捉え、自社のサービスで解決できるかどうかを立ち止まって考えるようにしていました。無理に自社サービスに当てはめるだけでなく、企業と一緒に最適な手段を整理していくことを大切にしていたのです。自社の売上になるかどうかより、その企業にとって本当に意味のある採用につながるかどうかを基準に向き合っていました。
当時所属していた企業では、営業担当が制作ディレクターに頼らず自分で求人広告の取材を行い、企画する文化がありました。また、座学研修でもマーケティングや採用実務、数値分析などの知識やスキルを徹底的に叩き込まれました。この時期に培った採用マーケティングの経験が、現在の私の専門性の礎になっています。その後、別の大手人材サービス会社へ移り、人材紹介事業部で顧問サービスの立ち上げにも携わりました。

そうして培った私の専門性は、「採用領域を戦略から実行、定着まで一気通貫で支援できる」点にあります。採用戦略設計や採用マーケティング、採用ブランディング、母集団形成、要件定義、選考プロセス改善、リクルーター制度構築などに加え、オンボーディングや定着まで含めた支援を行っています。
特に強みとしているのは、理系採用や専門職採用、地方採用、知名度の低い企業の採用といった、難易度の高い領域です。これらの領域では、ただ求人広告掲載や母集団形成施策を実行するだけではうまくいかないケースが多くあります。そのため、活躍人材の再定義、競合分析、魅力づけ設計、訴求軸の再設計といった上流設計から見直すことが重要になります。
たとえば理系の人材は、文系の人材と比べて応募する企業数が少ない傾向があります。その分、1社ごとの企業理解が深く、企業側の対応のわずかな違いが学生や転職希望者の志望度や入社承諾率に影響することも少なくありません。そのため理系の採用では、説明会やインターンシップの質がより一層問われます。
このように求める人材の志向性を理解し、それを言語化したうえで、企業が取るべき対応策を提案しています。
“機能する施策設計”を重視し、足元で成果を出す

支援として、採用体制の立て直し、採用戦略の再設計、母集団形成の改善、選考歩留まりの改善、理系・専門職採用・地域採用の強化、採用サイトの作成など、多くのご相談をいただいています。支援している業種も、建設業・製造業・小売業・サービス業・広告業・IT企業など幅広く、大手企業や上場企業から、成長中のベンチャー、地方の中小企業までさまざまです。
私が支援に入る際には、まず徹底的な企業理解に努め、採用背景や現在の採用手法、過去3年間の実績などを詳しく聞いていきます。そうすると何らかの違和感を覚えることが多く、「なぜこの手法を使わないのか」「これならもっと採用できるのではないか」といった疑問を投げかけながら、状況を確認していきます。
単にその手法が好きではないという場合もあれば、過去に失敗した経験がある場合も。企業ごとに向き不向きがあるため、採用施策では企業ごとの適合性が非常に重要です。そのため、表面的な打ち手を導入するのではなく、「その企業で機能する施策設計」を重視しています。
同時に、組織への理解も深めていきます。どの部署がどのような役割を担っているのか、どの事業が好調なのか、企業としてどのような戦略を進めているのか。新しいものを積極的に取り入れる文化なのか、それとも伝統を重視する文化なのか。こうした方向性が見えてくると、人事部門が置かれている立場や組織内のギャップも理解できるようになります。理想論や正論を押し付けるのではなく、その企業に寄り添った実行可能な支援を心がけています。
企業理解にかける期間は、おおむね最初の1か月ほど。そのうえで、すぐにできる支援と、長期的に取り組むべき支援を分けて進めていきます。
すぐにできる支援は、話を聞きながらその場で改善を重ねていくコンサルティングです。たとえば求人広告の原稿設定や運用方法に問題があれば、その場で見直し、小さな改善から成果につなげていきます。企業の多くは、分析や検討だけに時間をかける支援ではなく、早く実行に移し成果につながる支援を求めています。そのため私は、まずは目の前の採用課題で成果を出すことを意識しています。
また、支援を行う際には経営と現場の両方の視点を持って支援しています。経営者の話も聞きますし、現場担当者の話とのギャップも確認します。その橋渡しをすることもプロ人材の重要な役割だと考えています。社長の言うことだけを聞いていても、最終的に現場が動かなければ採用は成功しないためです。そのため、現場の方々とも信頼関係を築くことを大切にしています。そうした関係性があるからこそ、「私たちの代わりに経営陣へ要望を伝えてもらえませんか」といった相談をいただくことも少なくありません。
再現可能な「型」を残し、内製化と持続的採用力を実現

企業が採用活動を改善するためにプロ人材を活用する意義は大きく3つあると考えています。
「客観的視点の導入」「自社では不足しがちな専門性の補完」「社内推進力の強化」です。
採用がうまくいかないとき、社内メンバーだけで議論していても新しい打ち手が見つからないことがあります。そうした際には外部の客観的視点を交え、やるべきことを整理していくプロセスが重要なのです。
私は企業側の視点(人事目線)と人材サービス会社側の視点の両方を理解しています。人材サービス会社との関係構築の進め方や業界特有の動きを理解しているため、供給側のロジックを踏まえた現実的な施策設計が可能です。
最近、大手企業からは「昔は採用できていたが、今は厳しい」という相談が非常に多く寄せられるようになりました。3年前までは問題なかったのに急に採用できなくなった、というケースです。そうした企業では、以前から使っているサービスを惰性で運用し続けていることも少なくありません。限られたリソース、予算の中で選択と集中が重要であり、社内でのしがらみで推進できないことでも、外部の視点だからこそ遠慮なく指摘できる部分もあります。
一方、中小企業からは「手法が多すぎて何をやればよいのかわからない」「サービスを導入しても成果が出ない」という相談が多く寄せられています。導入の仕方も非常に重要で、たとえば人材紹介サービスでは、最低限の条件と概要を伝えるだけでは優先して扱ってもらえないことがあります。
人材紹介サービス会社側は大量の案件を抱えていますので「この案件なら採用できそうだ」と感じるような見せ方や伝え方の工夫も大切です。また、採用競合と比較して条件面で及ばない場合には、その中でも勝ち筋を見つけ出し、必要に応じて条件の調整などを提案し、実行に移すこともあります。
外部のプロ人材が入ることで、施策の是非を巡る社内調整がスムーズになり、結果として社内の推進力が高まるケースも少なくありません。
加えて私は、支援先企業の人事や採用担当者の方々に「再現可能な型」を残すことを常に意識しています。実際に支援先からは、「プロ人材がいなくなった後も成果が出るようにしたい」という要望をよくいただきます。そのため、採用マニュアルを作成したり、企業の採用力を診断する仕組みを作ったりすることもあります。
労働人口が減少し続けるこれからの日本において、企業の採用戦略はますます重要になっていくでしょう。私自身は今後、採用だけでなく活躍や定着の領域にもさらに支援の幅を広げ、企業の人的資本経営を支えていきたいと思っています。そして、自分と関わった企業と、そこではたらく方々にとって、より良い状態をつくり続けていきたいと考えています。
