サービス導入事例

悠悠ホーム株式会社

売上:
100億円~1000億円未満
業種:
建設・不動産

システム

社員とプロフェッショナル人材とHiPro Biz、「三位一体」でDX推進を実現。「システム化」のみならず「社員の意識」にも変革を創出

営業本部 デジタル・経営部
  • 部長 北島 靖隆 氏
  • BEFORE導入前の経営課題

    既存システムの整理に加え、DX推進の必要性に迫られていたものの、実現には「マンパワー」および「DXに対する社員の理解」を必要としていた

  • AFTER導入による成果

    担当者にプロフェッショナル人材が伴走する形で、システム化を支援。イノベーションを興すための基盤をつくりあげただけでなく、社員の意識にも前向きな変化が芽生えた

一度ダメでも、あきらめない。膝を突き合わせ、必要な人物像を整理

昨今の建設・不動産業において、「アナログ環境の脱却」や「DX化」を命題に掲げる企業は多いのではないだろうか――こと九州エリアで名を揚げている「悠悠ホーム株式会社」も、当時、同様の課題を抱える企業のひとつであった。

同社は住む人と地球の「健康・快適・長寿命」をテーマに、住宅事業から、不動産や飲食業に至るまで、多様なサービスを提供し堅実な経営を続けている。2022年5月には、福岡市・天神の一等地に本社を移転していることからも、地場で強固な立ち位置を築いていることは明らかだろう。

着実な成長を遂げる最中の同社に、「DX推進」のテーマが持ち上がったのは2021年の折であった。発端は、経営基盤を一代で築き上げた代表の計らいだったという。しかし、「DX」とひと口にいっても、その実態は、一朝一夕に実現できるものではない。

そもそも、通説的なDXのステップは「1:アナログ作業のデジタル化」「2:業務プロセス含むデジタル化」「3:デジタル化によるイノベーション創出」と言われている。しかし同社の場合、その前段階として「基幹システム刷新検討」の必要性にも迫られていたのである。その当時について、DXプロジェクト責任者として任命された北島氏は、次のように振り返る。

「当時、古くなっていた基幹システムやベンダーについて、刷新も含め整理が必要な状態でした。しかし、当時のシステム導入担当は不在のため難航していたのです。その中で、全社的なDX推進も求められていた。これは外部の力を借りた方がよいと考え、HiPro Bizさんにお声がけを決めました」

HiPro Bizへ問い合わせた決め手は、コストパフォーマンスの高さだったと明かす北島氏。しかし、プロフェッショナル人材の支援が始動するまでには、相当のハードルがあったという。

「実は一度、支援前にとん挫しかけたのです」――その発端は支援前の面談だったという。北島氏は当初、課題感を踏まえ『ロジカルな思考力や技術力』に長けたプロフェッショナル人材をHiPro Bizへ要請していた。しかし、いざ面談で決裁権を持つ代表と、プロフェッショナル人材が会ってみると、双方のフィーリングが大きく異なり、その場の合意は見送られたのである。

面談時の反省を踏まえ、HiPro Biz営業担当と北島氏は改めて、同社に合うプロフェッショナル人材の人物像をすり合わせたという。新たに抜擢されたのは、建築企業を中心に、IoT導入の経験を豊富に持つO氏だった。

「担当さんと入念に話し合った結果、私たちに合うプロフェッショナル人材は、難しいことをかみ砕いて説明できる『コミュニケーション力』や『親しみやすさ』も必要だね、という話になったんです。その点、Oさんは営業のご経験があり、コミュニケーション力に優れている点もマッチしていました」

結果、代表とO氏のフィーリングが見事にマッチし、即座にGoサインが出ることとなった。「あきらめずにすり合わせを行って本当によかったです。その点では、担当さんが上手にコーディネートしてくれたな、と思います」

“当たりまえ”化した事象へ、常に「なぜ?」を問いかける

北島氏は今回のプロジェクトに際し、O氏と目指すゴールを「必要なシステムの洗い出し」および「アナログ作業のシステム化」に設定した。

O氏はゴール到達に向け、大きく分けて4つのアクションに注力。「現場の業務理解」と「必要なシステムの可視化」、「ベンダー選定における商談同席・壁打ち」に加え「スモールステップでのシステム化」である。

支援を受ける中で、北島氏は、O氏があらゆる事象に対して、「なぜ?」を問いかけていたことが非常に印象的だったと語る。

「たとえば、ある承認フローに対して、『そもそもこのフェーズで押されているハンコは、必要なのでしょうか?』といった問いかけがあったんです」。O氏の問いかけをもとに改善策を突き詰めたところ、承認フローを見直せば、押下せずとも完結できることが判明したのだという。

「社内だけだと、すでにフローが『当たりまえ』となっているため、Oさんが持つ疑問には決して至らなかったでしょう。加えて、通常DX化の視点から改善策を考えると、『業務フローの一連をどうデジタル化するか?』という話に終止しやすいのではないでしょうか。しかしOさんは、ことあるごとに、根本から鋭い指摘を入れ、改善をはたらきかけていただきました。Oさんが第三者だからこそ、客観的な視点で現状をとらえることができたのだと思います」

加えて北島氏は、「これはDX推進の“あるある”だと思うのですが」と前置きした後、外部人材の力を借りるメリットを語ってくれた。

「DX推進を行っていると、DXを推進したい上層部側と、変化にとまどう現場社員の間で、DXに対する温度差が生まれやすい。その分、どうしても推進当事者は『板挟み』の中、コミュニケーションを取る必要が出てきます。対して、社外の方にはしがらみがない分、上層部には客観的立場で現状に指摘を入れていただいたり、現場社員へ理解を求めることができる立場にあります。そう思うと、今回のケースも、第三者のOさんがプロジェクトに加わったからこそ、全社に新しい風を吹き込めたのではないでしょうか」

DX支援で生まれた、「目に見えない」変化

支援からプロジェクト満了となった1年後、O氏の支援によってもたらされた変化を振り返ると、その数には枚挙がない。『新規システムの選定と導入』から、『各種資料や給与明細などのペーパーレス化』、『リモートワーク環境の整備』、『各部門業務フローの整備・効率化』といった生産性向上の側面など、全社横断で多角的に影響を与えたことが分かる。

加えて、支援を通じ、思わぬ副産物も生まれたようだ。

「社内のシステム化ももちろんですが、現場社員の意識変化も大きいと思います。先ほども申しましたが、DX推進となるとどうしても旧来のやり方から変わってしまうため、否定的な感情をもってしまう人も少なくありません。とはいえ今回のケースでは、徐々に不安から、前向きな思いへ変わっていったように感じます。もちろん、各人への説明や不安な気持ちを解消するための仕組みづくりは特に心がけたため、その取り組みが功を奏したのかもしれません。しかし、会社の目に見える成長によって『自分も追いつかなければ』という、ある種健全な危機感が自主的に芽生えたことは、大きな変化ではないでしょうか」

当初の課題をO氏とともに乗り越えた今、北島氏には、実現したい構想があるのだという。

「アイデアはたくさんあるんです。目下注力したいことは、『マーケティングとセールスのDX』ですね。そのために、バックオフィスの運用は別の方にお任せし、私はツールを作ったり、専任の組織立ち上げを担ったり、ゆくゆくはこうしたスキームをサービスとして提供していこうかな、とも思っています。とはいえ、これらを実現・解消しようと思うと人が足りません。必ずしも自社社員のみで賄う必要もないと思っているので、お任せできるところはHiPro Bizさんにもお願いできればと思いつつ、人を増やしていきたいですね」

終始一貫して朗らかな語り口だった北島氏だが、今回のプロジェクトを経て未来を語るその表情は、もっとも輝いたように見受けられた。これだけでも、同社に生み出された変革が、決して単なるシステム化に留まらないことは、自明の理といえるだろう。

企業名
悠悠ホーム株式会社
設立
1994年10月(創業:1989年9月)
従業員
329名(2022年1月1日現在)
売上
109億1,000万円(2021年7月期)
事業内容
住宅建設・販売、不動産売買及び賃貸、リフォーム事業、集合住宅建築、エネルギー事業、保険事業、フィナンシャル事業

担当プロ人材より

悠悠ホーム様は、時代の潮流を捉え、新しいことを取込みチャレンジするスピード感が圧倒的な企業様と感じていました。さらに、今回は本社移転のタイミングも重なり、社内の業務改善・IT化に対する期待感が非常に高く感じましたので、社員の方々の話を丁寧に拾い上げ、腹落ち感・共通理解を形成しながら、業務改善の様々な打ち手提案をさせて頂きました。なかでもシステム選定においては、会計・経費精算・労務管理・販売管理・グループウェアなど多岐にわたって関わらせて頂きました。ベンダーからの提案についてもオブザーバー参加しながら、貴社の業務を理解したうえで最適な助言をいくつもさせて頂けたと自負しております。短期間で一気に多くの新たな取り組みを実施されましたので、導入に向けた課題も多々ありましたが、プロジェクトに参加されたみなさまの力強い協力で、とてもやりがいを持ってプロジェクトを進めることができました。

登録プロ人材 O 建築・アミューズメント業界の中堅企業で営業職・マネジメント職を地方拠点・首都圏で経験した後、上場企業の通信デバイス部門の部門責任者として既存事業の発展と新規事業開発を主導してきた。2019年経営コンサルタント業を主とした企業の役員に従事し、建築・土木業、医療・介護、製造業など様々な業界でBPR、DX推進、新規事業開発支援に携わっている。首都圏のみならず、東北・北信越・九州地区などにおいて多数の実績を持っている。

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